女といるのが向いてない Vol.10

「他の男と同時進行されていた。それなのに…」最低な元カノから届いた、ありえないメッセージ

女といるのが向いていない、男たち。

傷つくことを恐れ、女性と真剣に向き合おうとしない。そして、趣味や生きがいを何よりも大切にしてしまう。

結果、彼女たちは愛想をつかして離れていってしまうのだ。

「恋愛なんて面倒だし、ひとりでいるのがラク。だからもう誰とも付き合わないし、結婚もしない」

そう言って“一生独身でいること”を選択した、ひとりの男がいた。

これは、女と生きることを諦めた橘 泰平(35)の物語だ。

◆これまでのあらすじ

夕食の買い物をした帰り道。突然麻里亜の婚約者が現れ、彼女に振られてしまう。思いもよらぬタイミングでの失恋に、茫然自失とする泰平。

それを心配した親友の樹は、食事会をキャンセルして泰平の部屋にやってきたのだった。

▶前回:彼女とのデート中、いきなり手を振りほどかれて…?女が奇行に走った、許されない理由


「何があったよ?」

心配そうな表情を浮かべつつ、僕の部屋の玄関で靴を脱ぐ樹。そんな彼に向かって、先ほど起きた出来事を説明する。

「麻里亜が、婚約者のところに帰っていったんだ。…ってわけで二度目の失恋をした。しかも今回の方が、随分きついや」

苦笑することもできず真顔で言うと、樹はソファに腰掛けながら手をひらひらさせた。

「悪いけど、俺は安心したよ」

「なんで?」

「こないだ会ってみてわかったけど、麻里亜ちゃんは聖母なんかじゃないわ。疫病神に近いね。もしくは泥棒。お前の時間と自尊心をどんどん奪っていくタイプ」

「…めちゃくちゃに言うんだな」

樹は悪びれもせずに「あのヤバさが見抜けないのは、さすが泰平だな」と一人で頷く。そして「俺は、あの子と結婚することになるその男に同情するわ」とまで言うのだった。

キッチンからは、チーズがこんがり焼けた香りが漂ってくる。

「え、なんか作ってるの?」

「グラタン。本当は麻里亜のリクエストだったんだけど」

「じゃあ、俺が食べてあげよう」

樹は調子づいて、勝手にワインセラーまで歩いて行き物色を始める。図々しいヤツだなあ、と微笑ましい気持ちで見守っていたそのとき。LINEの通知が鳴った。

『葉山麻里亜』

表示された名前を見て、僕は咄嗟にそれを開いた。

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