男女の賞味期限 Vol.12

「ドキドキしない…」久しぶりに夫とキスした妻が感じた、予想外のある異変

男と女の賞味期限3年説。

それが真実なら、夫婦が永遠に“男女”でいることは難しいだろう。

男女としての関係が終わりかけた夫婦はその時、どんな決断をするのだろうか。

◆これまでのあらすじ

翔一と真希は、千葉に行くことを決意する。その報告のために、翔一の実家を訪れるが…?

▶前回:自分で何も決められないエリート夫。妻が見抜いた、彼の隠された本心とは?


― ちょっと言いすぎちゃったな。お義母さんにもう口きいてもらえないかも。

翔一の実家からの帰り道。御殿山から大崎の自宅まで、2人は並んで歩いていた。真希は、見送りに出てきても目を合わせることもなかった義母を思い出す。

「翔一、何かあったらいつでも連絡しなさいね。

頂き物だけど、良かったら食べて。千枚漬、とっても美味しいわよ」

西利の漬物の詰め合わせを渡しながら、とにもかくにも“翔一”と呼びかけていた。義母が真希を牽制していることは明らかだった。

「真希、嫌な気分にさせちゃって悪かったな」

それまで黙っていた翔一が、気まずそうに口をひらく。

「ううん、気にしないで。私、お義母さんの気持ちも何となく分かるもの」

気を遣ったわけでも、翔一によく思われようとしたわけでもないが、自然と口から出た。

2人の間に、桜がひらりと舞う。

「それにしても真希、格好良かったなあ。俺、惚れ直したよ」

格好良いと言われて喜びを感じるなんて、生まれて初めての経験だった。

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