男女の賞味期限 Vol.7

男の本能をくすぐる極上の女。そんな彼女と結婚した夫の、知られざる後悔

男と女の賞味期限3年説。

それが真実なら、夫婦が永遠に“男女”でいることは難しいだろう。

男女としての関係が終わりかけた夫婦はその時、どんな決断をするのだろうか。

◆これまでのあらすじ

義母から子どものプレッシャーを受けた真希は、現実逃避的に元彼・悠介と会う。だが悠介に迫られ、そんなつもりじゃなかった…と後悔。そんな真希をさらなる悲劇が襲う。

▶前回:理性と欲望で揺れる人妻。都合よく甘えていた男から仕掛けられた逆襲


「ねえ、これ」

ある休日。

柔らかな日差しが気持ちの良いテラス席で、翔一は水辺で休む鴨やプカプカ浮いたボートを眺めていた。

平和な光景には似つかわしくない、ドスの効いた声が響く。

佳奈美は、サーモンのカルパッチョの載ったお皿とワイングラスを退けて、数枚の写真をテーブルに置いた。

「奥さん、浮気してるみたいね」

彼女が写真を1枚1枚重ならないように丁寧に並べたせいで、視線を向けると全ての写真が目に入った。

さまざまな角度から、真希が男と仲睦まじそうに話している姿が映っている。

「ああ、そう」

翔一は、退けられたグラスに手を伸ばして白ワインを一口飲む。辛口をお願いしたはずなのに、運ばれてきたのはかなりフルーティーなワインだった。

ハズレたなと、ボトルで頼んだことを後悔する。

全く動じない翔一に、佳奈美は苛立ちを露わにして声を荒げた。

「ねえ、聞いてる?奥さんも浮気してて、翔一さんも私とこうして会ってる。夫婦の意味あるの?」

周囲にいた客が、何事かとこちらを振り返る。翔一は申し訳なさそうな顔で周りに会釈し、佳奈美を諭した。

「ちょっと落ち着いてくれ。夫婦なんて、それで良いんだ」

なおも食ってかかろうとする佳奈美を尻目に、翔一は今朝のことをぼんやりと思い出していた。

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