Re婚活 Vol.6

出会って30分で、警戒心が強い30代女を口説き落とした男の巧妙な手口



天気もよく、うららかな日曜日の午後。

未央は壮太の手を引き、原宿駅前を歩いていた。

今日はママ友に誘われ、フットサルチームの見学にやってきたのだ。

ほんの2ヶ月ほど前の、オリバーとランチを楽しんだ駅前のビルを横目に、代々木競技場の方へと向かう。

あれからオリバーとは、なんとなくLINEのやりとりが続いているが、会ったのは一度だけ。それも軽くお茶を飲んだ程度だ。

フットサル場につくと、多くの保護者と子どもたちで賑わっていた。壮太も友達とコーチに誘われ、練習の輪に加わる。

楽しそうにボールの蹴り方を教わっている息子を目で追っていると、壮太の向こう側に背の高い男性が見えた。

「え…?」

思わず声をだしてしまった未央に、ママ友が尋ねる。

「どうしたの?ぼーっとしちゃって。知り合いでもいた?」

向こうは気づいていないが、正明だった。

ジャケット姿しか見たことがなかった未央には、キャップにスウェットという休日スタイルが新鮮に映る。

実は、正明とは、バーで知り合ったあと2回会っている。1回目は前回と同じバーで、2回目は未央の会社がある銀座まで来てくれて、仕事の合間にランチをした。

まだ恋人未満の関係だが、2回目のランチの時に「次に会うときは、マンダリン オリエンタル 東京で食事でもどう?部屋とっておくからさ」と誘われていた。

オリバーとの関係もあやふやなまま、正明からの誘いにのってもよいものか迷っていた矢先だった。

― やっぱり正明さんだわ。お子さんに会いにきたのかしら?

未央の視線に彼も気が付いたようだ。未央は周囲を気遣って、小さく会釈をした。

ところが。

正明は会釈を返すこともせず、子どもたちのサッカーを見続けている。

― 明らかに目は合ったはずなのに。どうして……?

未央は正明から視線を外すことができないでいた。だが、彼は未央をまるで透明人間かのようにスルーしている。


と、その時。

グラウンドの外側から、ショートカットが似合う長身の女性が正明の隣にやってきて、親しそうに話し始めた。そして時折、子どもの名前を呼び、応援をしている。

― もしかして、……奥さんいたの?嘘つかれてた?

子どもの付き添いで来た場所だとはわかっているが、未央......


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