女といるのが向いてない Vol.2

久々に参加した食事会で…。大手外資勤務、手に入らないものはないはずの男が不甲斐なさを感じたワケ

女といるのが向いていない、男たち。

傷つくことを恐れ、女性と真剣に向き合おうとしない。そして、趣味や生きがいを何よりも大切にしてしまう。

結果、彼女たちは愛想をつかして離れていってしまうのだ。

「恋愛なんて面倒だし、ひとりでいるのがラク。だからもう誰とも付き合わないし、結婚もしない」

そう言って“一生独身でいること”を選択した、ひとりの男がいた。

これは、女と生きることを諦めた橘 泰平(35)の物語だ。

◆これまでのあらすじ

独身・彼女ナシの泰平。実は32歳のときに、2年ほど付き合っていた麻里亜のことを、ずっと引きずっていたのだった…。

▶前回:婚約指輪を忍ばせて会いに行ったのに。その後彼女に告げられた、衝撃の一言


『泰平、今何してる?』

土曜日の昼過ぎ。自宅のソファの上でワインショップの通販サイトを見ていると、樹(たつき)からLINEが届いた。

こんなふうに突然誘ってくるなんて珍しい。僕のフットワークの重さは、彼が一番よく知ってるはずなのだ。

訝しみつつ『今日はごめん』と送信しようとしたとき、追加でメッセージが来た。

『今からここで飲む予定なんだけど、来れない?頼む…』

URLをタップすると、それは前から気になっていた代々木公園の四川料理だった。

どうやら食事会の埋め合わせ要員で、連絡を寄越したらしい。僕に連絡が回ってくるなんて、本当に困ってるんだろう。

別に、樹をピンチから救いたいわけではない。でもサイトに載っている辛そうな麻婆豆腐の画像に、食欲が刺激された。

しかも、この家から徒歩10分ほどの距離なのだ。億劫さと店への興味を天秤にかけて、後者がわずかに勝る。…あいつは分かっている、四川料理に目がない僕のことを。

『行けるよ』

そう送ると、5秒くらいで『まじ!?超嬉しい』と返ってきた。樹の人懐っこい笑顔が目に浮かぶ。

予定調和で穏やかな僕の休日をこんなふうに破壊してくるのも、今では彼だけだ。

立ち上がり軽く伸びをすると、昨晩から着ている部屋用のスウェットをようやく脱いだのだった。

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