A1:その質問、答えはすべてプロフィールにある!
プロフィール画像には、友人が撮ってくれたカフェでの写真を選んだ。その他に、愛犬のカヌレとドッグカフェに行った時の写真も追加する。
ーカヌレのことも好きになってくれる人がいたらいいな。
そして、翌日の土曜日。私はマッチングアプリを開いて驚いていた。
100件以上の“いいね!”が押されていたのだ。
ーえ?すごい、嬉しいけれどちょっとビックリした…。
“いいね!”をしてくれた男性たちをスワイプして見ていき、指がピタリと止まったのは大輔という男性だった。
坂口健太郎似の塩顔は、好きなタイプど真ん中。だが、肝心なのは顔だけではない。私はプロフィール文にもじっくりと目を通す。
ーへぇー、35歳か。勤務地は有楽町ね。この写真ってサッカーだよね、好きなのかな。
マッチングアプリでの出会いにはまだ少し抵抗があり、素敵だと思った相手にも慎重にならざるを得ない。プロフィールを何度か読み直しながら丸1日迷い、ようやく“いいね!”を返したのは日曜の夜だった。
ー大輔:美樹さん、初めまして。大輔といいます。よろしくお願いします。
ー美樹:メッセージありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします。
こうして、大輔からの最初のメッセージが届き、すぐにテンポの良いやり取りが始まった。
彼は連絡もマメにくれるし、好印象だった。…初めのうちは。
大輔とは、毎晩20時前後にメッセージのやり取りをするようになった。
気づけば、1週間続けて毎日連絡を取っている。それは嬉しいのだが、実は私の中である引っかかりが生まれていた。
ー大輔さんって、私のプロフィール読んでくれたのかな?
なぜなら彼が聞いてくることの多くは、プロフィール欄に答えが書いてあることなのだ。
ー大輔:そういえば美樹さんてどんな仕事をされてるんですか?
ー美樹:化粧品会社の広報の仕事です。
プロフィールにも書いたんだけどな…とは思ったが、それでも仕事のことはまだよかった。だけどこだわって書いた趣味の話や、愛犬のカヌレのことは、少しくらい読んでもらいたかったのだ。
ー大輔:動物は犬と猫、どちら派ですか?
ー美樹:犬です。
ー大輔:僕もどちらかと言ったら犬派です。飼ったことないですが。美樹さんは犬、飼ったことある?
ドッグカフェに行った時のカヌレの写真はアップしているし、犬と暮らしていることも書いている。
ー大輔:普段はどのあたりで食事をされることが多いですか?
ー美樹:職場の近くに気に入っているカフェがあって、そこによく行きます。
行きつけのエリアや店についても、ちゃんと書いてあるのに。これではおそらく、趣味がカフェ巡りというのも全く見ていなそうだ。
次第に、モヤモヤが心の中で渦巻き始めたのだった。
この記事へのコメント
そのうち誰かがここに内容書いてくれそうw