オフラインな私 Vol.6

30歳目前、結婚ラッシュの波に乗り遅れた女。友人との再会で見たくなかったモノを発見してしまい…

オンラインで、キラキラした私生活を垣間見せる女たち。

豪華なインテリアや、恋人との親密な関係性、メイクや服装。

だけど画面越しに見せている姿は、本当の自分とかけ離れているのだ。

先週は、ペットへの異常な愛で夫婦関係を壊した女が登場した。さて、今回は…?

▶前回:妊活を諦めた30代夫婦。子どもの代わりに“あるモノ”を手に入れた2人の仲は、次第に…


Vol.6 孤独のグルメアカウント女


名前:安田楓
年齢:29歳
世帯:1人暮らし


「わぁ、美味しそう…」

ある土曜日の夕方。みずきが自宅キッチンで今晩の献立を考えながら、何気なくInstagramを見ていた時のこと。大学時代の友人・楓の投稿が目に入った。

写されていたのは、代々木上原にある有名フレンチのメニュー。どうやら夕食用にテイクアウトしたらしい。

基本的に毎日自炊しているみずきにとって、有名店のテイクアウトメニューは喉から手が出るほどうらやましかった。

―楓はいいなあ。独身で自由の身だから、自分の好きなものを食べて、オシャレな生活ができて…。

そんな彼女のプロフィールをタップし、過去の投稿をさかのぼってみる。

そこに並べられていたのは、最近話題になった店のランチメニューや趣味のビオワイン。それにオシャレなアンティーク調のインテリア。

―住んでる部屋も素敵だなあ。うちのインテリアも参考にしたいくらい。

フォロワー数5,000人ほどを抱える楓は、学生の時からセンスが良く、憧れの存在だったのだ。

スマホを置くと、みずきは部屋をぐるりと見渡し、ため息をついた。先ほどテイクアウトの投稿を見たせいか、何となく料理をする気が起きない。

そこに、書斎から夫が戻ってきた。

「ねえ。今日の晩ご飯、テイクアウトにしない?最近は有名店でもお惣菜が買えるのよ」

みずきも“インスタグラマー”の影響を受けて、さっそく夫に交渉してみるのだった。

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