2020.12.21
SPECIAL TALK Vol.752020年のニューリーダーたちに告ぐ
NHKの連続テレビ小説『ロマンス』で、華々しい全国デビューを飾った辰巳郎氏。
その後、ドラマや映画だけでなく、クイズ番組やバラエティ番組でもその個性を生かし、お茶の間の人気者となった。活躍の場はテレビに留まらない。
好奇心旺盛で多彩な趣味を持つことから、合唱、料理、囲碁、ゴルフなど幅広い業界から声がかかり、その普及・啓発を託されている。なかでも熱心に取り組んでいるのが、「日本のワイン」の普及活動だ。
『日本のワインを愛する会』会長として、精力的に活動する辰巳氏が、日本のワインの可能性と抱える課題について語り尽くす。
金丸:本日は俳優の辰巳琢郎さんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。
辰巳:こちらこそお招きいただき光栄です。
金丸:本日の舞台は赤坂の『かがみ』です。大将は山梨生まれで、以前は山中湖に自分のお店を持たれていました。東京からもお客さんがやってくるいいお店で、私も時折訪ねていたのですが、あるとき、忽然となくなっていて。
辰巳:何があったんですか(笑)。
金丸:もともとご実家の都合で山梨に戻られたそうですが、再び東京へ。『紀尾井町 三谷』で副店長を務めたのち、昨年の秋にこちらをオープンされました。久々に大将の鮨を味わえるので、非常に楽しみです。
辰巳:そんなお話を聞くと、期待が高まります。
金丸:さて、辰巳さんとは年が近いこともあり、これまでも親しくさせていただいています。最後にお会いしたときから、随分スリムになられたような。
辰巳:実はコロナがきっかけで、一時は8キロもやせてしまって。
金丸:何があったんですか?
辰巳:単純な話で、僕は朝食と昼食を抜くかわりに、夜に何度も食べることが多いんですが、コロナの影響でお店が開いていなくて。おかげで血圧は30〜40、コレステロールは70下がりました。
金丸:ものすごく健康体になりましたね(笑)。私の周りにもコロナをきっかけに筋トレを始めたり、朝型の生活になったりと生活習慣を変えた人は多いですね。ところで、最初に「俳優」とご紹介しましたが、辰巳さんはご活躍の幅が本当に広くていらっしゃいますよね。
辰巳:金丸さんも政府関係で、いろいろな委員を歴任されているじゃないですか。
金丸:辰巳さんにはかないませんよ。近畿大学では教員もされていますし。
辰巳:近大の客員教授は、もう10年になりますね。最近、ノーベル平和賞で話題になった国連WFP協会(国際連合世界食糧計画の支援団体)顧問なんて肩書もあります。
金丸:そして、『日本のワインを愛する会』の会長でもいらっしゃる。今日は辰巳さんがこれまで歩んできた道について伺いますが、ワインのこともぜひ聞かせていただきたいと思っています。
辰巳:ぜひ。実は11月にも国税庁主催の「日本ワインを身近で楽しむ会」というイベントで、総合司会をやらせていただきました。3日間、1日2回、全国12会場をオンラインで繋ぐという大きなイベントです。
金丸:それはなかなかハードですね。
辰巳:東京と横浜にはすぐに申込みが殺到したのですが、ほかの地域はぼちぼち。もっと日本のワインの魅力を伝えていかなければと思いましたね。
金丸:この対談連載は、近頃日本ワインづいていまして。この半年で「中央葡萄酒株式会社」の三澤彩奈さん、「MGVsワイナリー」の松坂浩志さん、そして辰巳さんにご登場いただいています。
辰巳:そのおふたりと並べられるなんて恐れ多い。
金丸:でも、辰巳さんもワインを造っているでしょう?
辰巳:プロデュースですね。「今様」(いまよう)というワインなんですが、マンズワイン勝沼ワイナリーさんに造っていただいています。
金丸:最初は読み方がわからず、「いまさま?」なんて読んだりしていました(笑)。
辰巳:「これはなんて読むのかな?」という引っかかりもいいかなと思ったんです。今様というのは、「今風」「現代風」という意味で、平安時代末期には「遊びをせんとや生れけむ」で知られる今様歌(いまよううた)というのもあります。
金丸:そこから取ったんですか。さすが文学部出身ですね。
辰巳:歌だけでなく、今様色という表現もあり、ほぼ赤系の色だったそうです。流行色という意味ですから、時代によって移り変わりがあって。だから「今様」は毎年ブレンドを変えていて、色も違うんですよ。
金丸:面白いこだわりですね。
辰巳:実は今日お持ちしたので、あとでお鮨と一緒にいただきましょう。
金丸:それは楽しみです。今日はどうぞよろしくお願いします。
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