私、やっぱり結婚がしたい Vol.8

ホテルのBARで隣の席の男と意気投合して…。翌朝、女が激しく動揺した出来事

コロナ禍で、先行き不安な社会情勢。それは私たちの結婚観にも確かに影響を与えた。

孤独や不安感から「結婚したい!」という気持ちが増す女たちと、「もっと安定してからじゃないと...」と慎重になりがちな男たち。

明らかにこれまでとは様子が変わった、婚活市場。令和の東京におけるリアルな婚活事情を、ご覧あれ。

◆これまでのあらすじ

年収600万円の地方公務員の弘川との食事で、「都会のお姉さんは合わない」と一蹴されてしまった日奈子だが…

▶前回:「新宿駅東口で会いましょう」と誘われて…。女がデート中に引いた、年収600万の男がした言動


「すみません、ここから1番近いラグジュアリーホテルへお願いします。バーがあれば、どこでもいいので」

私はタクシーに乗り込み、早口で運転手さんにお願いした。

それにしても、さっきまで食事していた弘川という男は、本当に失礼な男だった。

アプリ上では熱心にメッセージをくれ、私のことを褒め称えていたのに、全く口説こうとしない。

しかも、お店までだいぶ歩かせたくせに気を遣うこともなく、挙句の果てには、私の方が多く支払うという屈辱まで味わった。

ーていうか、ビール飲み過ぎなのよ...

自分が多く支払うことになるのなら、シャンパンでもワインでも、好きなものを飲めば良かった。

アプリ内で弘川をブロックすると、私は大きなため息をついた。

「ここで、よろしいですか?」
「あ、はい。ありがとうございます」

運転手さんが連れてきてくれたのは、西新宿に今年オープンしたばかりの、スタイリッシュなホテルだ。

BARがある階へエレベーターで上昇し、女性のスタッフにコートを預け、カウンター席へ腰を下ろす。

「美味しい赤ワインをグラスでください。あと、チーズもいただけますか?」

メニューを見ることなく、バーテンダーにオーダーすると、二つ横の席で男性がクスクス笑っていた。

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