忘れられない“あの日” Vol.2

合鍵を使って、1ヶ月ぶりに彼女の部屋を訪れたら…。男が見てしまった衝撃のモノとは

今日が、何でもない普通の日なら良かったのに……

“記念すべき日”に起きた最悪な出来事は、悲しみや怒りなどあらゆる感情が倍増して

一生忘れることができない思い出として心に刻まれる


この連載では、“記念日”にまつわるストーリーを東京カレンダーのライター陣が1話読み切りでお送りする

▶前回:「もう、限界…」結婚記念日に離婚を決意した妻。決定打となった、夫からのプレゼントとは


外資系PEファンドで働き始めて8年。

30代前半にして日本人の平均年収の4、5倍は稼いでいるが、物欲のない僕は、お金の使い道が分からずにいた。

でも、クリスマスの今日。

僕のポケットの中には、ハリーウィンストンで買ってきたばかりのラウンド・ソリティア・リングが入ってる。


誰かのためにお金を使うことが、こんなに幸せなことだとは知らなかった。

彼女が住む麻布十番のマンションへと続く、けやき坂の青白いイルミネーション。

先月大ゲンカをして以来、寒々しい色に見えていたが、今は僕らの未来を祝福するダイヤの輝きに見える。


ケンカの原因は分かってる。

3年も付き合っているのに、多忙を言い訳に僕がなかなか結婚に踏み切れなかったからだ。

思えば、夏くらいから、一緒にいる時の彼女の笑顔がどんどん少なくなっていた。

どれだけ心を近づけようと努力しても、まるで手に入らないプレゼントみたいに、彼女を遠くに感じるようになった。

でも、この1ヶ月必死で考えて気づいた。

彼女が僕との結婚を待ち望んでいるにもかかわらず、それを言い出せずにいたことに。

【忘れられない“あの日”】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo