たかが離婚、されど離婚 Vol.2

「昨晩に引き続き、また今日も彼と…?」再会して以来、男が女を連日呼び出す理由とは

「一人のひとと、生涯添い遂げたい」。結婚した男女であれば、皆がそう願うはずだ。

しかし現実とは残酷なもので、離婚する夫婦は世の中にごまんといる。だが人生でどんな経験をしたとしても、それを傷とするのかバネとするのかは、その人次第。

たかが離婚、されど離婚。

結婚という現実を熟知した男女が、傷を抱えながら幸せを探していくラブ・ストーリー。

◆これまでのあらすじ

32歳の尾形友梨と大友将人は、高校の同級生。友梨は「もう一度、結婚したい」と熱望するバツイチだが、離婚予定の将人は「二度と結婚したくない」と豪語していた。

友梨はある夜、年下の彼氏・駿の浮気に気づいてしまい…。

▶前回:「妻とは終わっているけれど…」同窓会で再会した女に、男が告げた衝撃的な話


『今日、彼女さんちじゃなくて、ウチに泊まらない?急に会いたくなっちゃった』

開いたままの駿のパソコンを前に、友梨は凍りついていた。

LINEの通知はすぐに消えたが、たった2行のメッセージは頭にこびりついている。

明らかに友人ではないであろうやりとり。ましてや、夜中に『会いたくなっちゃった』などと送ってくる相手と一線を越えていないと思えるほど、友梨は子供ではなかった。

「誰?」「どうして?」「もしかして出張って言いながら他の女のところに行ってたの?」「今朝もいつも通りだったのに?」

脳内に次々とクエスチョンマークが浮かび、ソファでいびきをかいている駿を起こして問い詰めたくなった。でも…。

―今はやめておこう。

離婚を経験した友梨は、肝に銘じていた。激情に任せて相手を問い詰めることは、良い結果を生まない。

現実から目を背けるようにパソコンを閉じると、友梨はそのまま逃げるようにして洗面所に入り、化粧を落としてスキンケアをする。

いつか駿に「友梨さんは肌がきれいだね」と褒められたことを思い出し、胸が苦しくなった。

友梨がスキンケアを終えて洗面所を出ても、ソファの駿は先ほどと同じ体勢で眠っていた。

いつもは大好きな彼の寝顔も今夜は憎たらしく見えてしまい、駿をそのままにして電気を消し、ベッドに潜りこむ。

眠りは浅かった。だからなのか、しっかりと夢の内容を覚えていた。

夢に出てきたのは、元夫の紘一だ。友梨が何度も何度も紘一に謝り、許しを求める夢。しかし許されず、その後慰めてくれたのは、将人だった。

意味が分からなかった。自分は紘一に対して悪いことなど何もしていないのに…。

それに、何の感情も抱いていないはずの将人が、どうして出てくるんだろう。

そしてこの日の夢には、駿は出てこなかった。

この記事へのコメント

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No Name
年下彼氏は浮気性かぁ。ありきたりだなぁ。
次週、かなりキツイ鉄槌を喰らわせてくれないと面白くないな……。
2020/09/27 05:1893
No Name
最低野郎だな

この先、お話しが進むのだろうか?
別れて終わり、じゃね?
2020/09/27 05:3880
No Name
相談という名目でやたらと周りに話したりしなかった今回の友梨に好感を持った! あまり「バツイチなのに成長してない」って自分を戒めなくてもいいと思うよ。
対する俊の開き直りとしか思えない告白は衝撃的だな、まったく!
2020/09/27 05:5565
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