“思い出”はときに、“ガラクタ”に変わる。
ガラクタに満ちた部屋で、足を取られ、何度も何度もつまずいて、サヨナラを決意する。
捨てて、捨てて、まだ捨てて、ようやく手に入る幸せがある。
合言葉は、ひとつだけ。
「それ、あなたの明日に必要ですか?」
◆
徳重雅矢は、お片づけのプロ。カリスマ整理収納アドバイザーだ。
“お片づけコンシェルジュ”を名乗る雅矢は、新人アシスタントの樋口美桜とともに、まるで魔法のように依頼人の部屋を片づけ、過去との決別を促し、新たな未来へ導いていく。
今回の依頼人は…主婦・泉果穂(41)と、証券マン・泉悟史(47)の夫婦。
骨董品の収集癖がある夫と、それに我慢ならない妻。衝突する二人が出した結末は?
▶前回:「これが、略奪女の末路です」二番手にしかなれない女の、屈折した日々とは
「お片づけをするにあたって、絶対にしてはいけないことが一つだけあります」
雅矢は、青ざめた顔の果穂に向かってきっぱりと言った。
「他人の物を勝手に捨てること。たとえ家族でも、それは断じて許されることではありません」
「それがゴミやガラクタでもですか?」
果穂は......
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この記事へのコメント
なってしまいなさい
美桜さんの成長を感じます
月曜はこういう心温まる話がいいですね❗