14日間の恋人 Vol.13

差し出されたモノに目が眩んで…。「女を本気にさせたい」と男が思った、本当の理由とは

ひとり旅をするとき、こんな妄想をしたことはないだろうか。

―列車で、飛行機で、もし隣の席にイケメンor美女が座ったら…?

そして、妄想は稀に現実になる。

いくつになっても忘れないでほしい。運命の相手とは、思わぬところで出会ってしまうものなのだと。

傷心旅行に発った及川静香は、素性の知らない男と恋に落ちるが…。出会いから、別れまで、たった14日間の恋の物語。

◆これまでのあらすじ

静香は元カレ・健次に別れを告げられ、ハワイへ一人旅に出る

偶然知り合った勇作に運命を感じるが、その出会いは仕組まれたものだった。健次の新妻・奈央から事情を聞いた静香は、もう一度、勇作と会って話すことを決意するが…。


Day13,2019年6月20日。


13時00分、ワイキキを見渡せるオープンテラスのルーフトップバー。

浮かれていようが、沈んでいようが、どんな気分のときも、ハワイの空はいつでも眩しくて青い。

約束の時間ぴったりに、勇作は現れた。

「静香!」

約束より5分ほど早く席に着いていた静香は、こちらに歩いてくる勇作の姿を捉えていたが、気づいていないフリをしてガラス柵の向こうのワイキキビーチを眺めていた。

「あ、来たんだ」

素っ気ない言い方をして、今気づいたかのようなフリをする。

恋しくて会いたくなったわけじゃない。真実を知りたくて会っただけ。だから強がりは必要だ。

「連絡先、消されたかと思ってた」

勇作の言うとおりだ。静香は、一度は勇作の連絡先を消していた。

「奈央さんから聞いたの。私に会いに来てくれた」

一瞬、勇作は目を丸くするが、すぐに顔を伏せた。

「ああ、そうなんだ…」

「いろいろ、奈央さんから聞いた。もともと友達だったんだね」

「うん、実はね…」

「だから今日は、本当のことを聞きたくて、勇作を呼んだの」

なるべく感情を出さないよう注意を払いながら、淡々と言った。

「勇作は、奈央さんだけじゃなくて、健次とも知り合いだったんでしょ?」

「…うん、黙っていて、ごめん。奈央ちゃんを通じて、知り合ってた」

「私と出会ったのも、偶然じゃないんだよね?」

返事をする代わりに、勇作は大きく頷いた。

「どういうことか、説明してくれない?」

静香の懇願に対し、勇作は大きく息を吐いてから、覚悟を決めたようにこう言った。

「わかった。全部、話す」

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