14日間の恋人 Vol.11

出会って2週間たらずで、女が男の連絡先を消去した理由とは?

ひとり旅をするとき、こんな妄想をしたことはないだろうか。

―列車で、飛行機で、もし隣の席にイケメンor美女が座ったら…?

そして、妄想は稀に現実になる。

いくつになっても忘れないでほしい。運命の相手とは、思わぬところで出会ってしまうものなのだと。

傷心旅行に発った及川静香は、素性の知らない男と恋に落ちるが…。出会いから、別れまで、たった14日間の恋の物語。

◆これまでのあらすじ

静香は元カレに別れを告げられ、ハワイへ一人旅に出る

そこで出会った勇作と男女の仲になり、彼と人生を歩むことを決めた。だが、別の女性とハワイで挙式するはずの元カレ・健次から「大事な話がある」と電話がきて…。


Day11,2019年6月18日。


14時00分、ワードビレッジ近郊のカフェ。

「会ってくれて、嬉しいよ」

静香が席に近づくと、先に着いていた健次が微笑んだ。

「大事な話って、なに?」

着席することなく、静香は強い口調でそう言った。途端に健次は、神妙な表情を浮かべる。

「昨日、約束の時間に行けなかったことは謝る」

偶然、健次とバーで出くわし、日を改めて話し合う約束をしたのだが、そこに彼は現れなかったのだ。

「結婚式を挙げてたんでしょ?おめでとう。だったらそう言えば良かったのに。どうして約束したの?」

「あの時は…ああいうしか収まらないと思ったから…」

「健次は最後の最後で、たくさん私にウソをつくんだね」

「それは謝るよ…本当に悪かったと思ってる」

クズでバカでどうしようもない人間だと、再認識する。なぜ、こんな男と5年も付き合っていたのだろうか。

「あっ」

急に健次が声を張り上げた。

「なに?」

「結婚おめでとう、って言ってくれてありがとう。言われると思わなかったから、聞き流すところだった…」

最低すぎる。失礼の極みだ。

今すぐ帰ってやろうと、静香は無言でカフェを出て行く。

すると健次が音を立てて立ち上がり、店の外まで追いかけてきて、静香の腕を掴んだ。

「待って」

反射的に、静香は手を振り払う。

「さわらないで!もうアンタなんかと話すことはない!」

「それでも大事なことなんだ!」

健次は、静香以上に大きな声を出した。そしてそのあとに続けたのは、意外な言葉だった。

「勇作って男のことで、話があるんだ」

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