あの頃の僕たちは、まだ本当の恋を知らなかった
ステータス目当ての美人女子大生と
身体目当てのエリートサラリーマン
空虚なデートの翌日。目を覚ましたら、待ち受けていたまさかの展開
これが運命の始まりだった
君が僕で、僕が君で・・・?
♢凌:顔が良ければ、性格は目を瞑る
ー20XX年5月ー
「アハハハハ、すごいですねー」
目の前にいる女が、膝の上に置いたスマホをチラチラ見ながら乾いた笑いを浮かべた。文字通り「アハハハハ」と笑う女を、僕は初めて見た気がする。
目が死んでいるし、話し方に全く気持ちがこもっていない。
ーワンチャン女優にだってなれそうな顔をしているのに、この演技では到底無理だな。
しかし、顔だけはとにかく良いのだ。彼女の魅力はその一点に尽きると言っても差し支えない。
清楚なブラウスで隠れているが、スタイルも相当良さそうだ。このような無礼な振る舞いに目を瞑ってでも、手に入れる価値は大いにあるといえる。
何故って彼女は、昨年の秋に有名私大のミスコンで準ミスに選ばれ、インスタのフォロワーは15万人、うまく"育てれば"キー局の女子アナも狙えそうなポテンシャルなのだから。
距離感のある対面式のレストランでの食事は早々に切り上げ、薄暗いカウンターバーに移動した方が勝算はある。
この記事へのコメント
世の中的には定番ファンタジーだけど、東カレでだとどうなるかすごく気になる!
そしてアブサンバー?行ってみたい