フレネミーな2人 Vol.8

「収録は上手くいったけど…」女子アナが、カメラの前で笑えなかったワケ

採用倍率1,000倍と言われる、狭き門を突破したテレビ局のアナウンサー。

そこは華やかに見えて熾烈な世界。

彼女たちは知的で愛くるしい笑顔の裏に、他人へは見せられない顔を隠し持っているのだ。

そんな、知られざる女子アナの裏側とは…?

◆これまでのあらすじ

連日、深夜に帰宅していたせいで「先輩とデキてるんでしょ?」とエリサに詮索された葵。その頃、2人の特別番組『かんののルーム』がついに始動する。

テーマは「私服対決」。葵は、エリサがコウの店の靴を履いて出演しようとしていることに気付き…?


野々村葵「番組も、男も。大事にしたいものは全部エリサに奪われる」


「コウくん?お願い。私に、コウくんのお店でいちばん良い靴をちょうだい!」

2019年、8月。念願の特別番組『かんののルーム』の打ち合わせを間近に控えた葵は、楽屋にこもり、必死な様子でコウに電話を掛けていた。

「…それって、エリサちゃんとの新番組で使うやつ?」

「えっ?なんで知ってるの?」

「いや、エリサちゃんから、新番組でファッション対決?みたいなのがあるって聞いてて…」

コウが、ためらいなく「エリサちゃん」と言う。その声を聞き、エリサとコウが本当に上手くいっているのだと葵は感じた。

「…エリサに、収録用の靴をあげた?」

「うん」

「エリサとは…そういう感じなの?」

「…そうなれたら嬉しいなとは思ってる。本気で好きになった」

やや沈黙があって、コウは言った。

「それで靴、欲しいんだよね?葵ちゃんの靴もあるよ。もうすぐ誕生日でしょ?プレゼント、用意してたよ」

コウの優しい声に葵は、混乱しながらも胸が高鳴るのを感じた。

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