フレネミーな2人 Vol.1

フレネミーな2人:「あの子、失敗してくれたらいいのに」看板アナの座を狙う、新人女子アナの裏の顔

採用倍率1,000倍と言われる、狭き門を突破したテレビ局のアナウンサー。

そこは華やかに見えて熾烈な世界。

彼女たちは知的で愛くるしい笑顔の裏に、他人へは見せられない顔を隠し持っているのだ。

そんな、知られざる女子アナの裏側とは…?


2018年 2月


「はい、みんな一旦聞いて!『ランチワイドショー』の特集コーナーですが…4月で入社2年目になる野々村アナに担当してもらうことになりました!」

キー局のアナウンス室中に響く大きな声で、局長の田上涼子が告げる。

その瞬間、フロアにいたアナウンサーたちの視線が一斉に、野々村葵へと注がれた。

「本当に光栄です!がんばります!!」

田上局長の横で眩しいほどの笑顔を浮かべながら、葵は心の中でガッツポーズを決める。

―やった。看板アナへの大きな一歩だ…!

このテレビ局では“期待の新人アナが、昼の帯番組で特集コーナーを担当する”という決まりがある。

慶應を卒業し、念願叶って女子アナの称号を手に入れた葵には、このチャンスを絶対に逃したくない理由があった。

―女子アナになれても、注目されずに歳を取り、なんとなく結婚して退社する人だっている。私はそんなの、満足できない。

まずは、局でいちばんのアナウンサーになる。そしていつかは、アナウンサー界でいちばん注目される人になる。だからこの席は、なんとしても手に入れたかったのだ。

…それに、なにより。“あの子”に譲るのだけは耐えられなかった。

「野々村、おめでとう。困ったら頼ってくれていいからな」

葵を激励する先輩アナウンサーにニコリと微笑みかけていると、視界の片隅で、ジッと葵を見つめる人物の姿に気が付いた。

この記事へのコメント

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No Name
嫌な女の話かな話と思いつつ読み始めたけど、同居するの??なんか面白い方向に行きそうだね!^ ^
2020/04/08 05:1566返信3件
No Name
昨日の嫁取りと、このアナウンサー物語新鮮で楽しみー!
似たようなキャラと、共感できないキャラばかりでマンネリ気味だったから。。
2020/04/08 05:1144返信1件
No Name
女子アナのドロドロといえば、元TBSの小島慶子さんが書いた「わたしの神様」っていう小説がリアルで面白いです。電子でも買えるでしょうから自主隔離のお供にどうぞ。
2020/04/08 06:0230
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