美女の憂鬱 Vol.10

「キミが美しくなかったら、声を掛けてなかったかも…」女がガッカリした彼氏の言葉

街を歩けば思わず振り返ってしまう。だけど目が合えば、逸らしてしまいたくなる。

誰もが羨望の眼差しを向ける、美しい人。…しかし、美女には美女にしかない悩みがあるのだ。

「オトせない男はいない」と言われ続け、早29年の奈津子もそのひとり。

―誰も本当の私なんて知ろうともしない。

これは、そんな美女と美女に恋した二人の男の物語。

◆これまでのあらすじ

真人への気持ちが冷めつつあることを自覚する奈津子。そんな時に克弘とバーで遭遇して…?


2019年 5月中旬


―まさか、このタイミングで、よりによって山本さんに会うなんて…。

ふらりと立ち寄ったバーで克弘に遭遇し、奈津子は戸惑いを隠せないでいる。

克弘に紹介されてから通い始めたこのバーは奈津子のお気に入りで、ひとりでゆっくりお酒を飲みたいときにはたまに訪れていた。

克弘がバーにいたことは予想外だったが、克弘の姿を見た瞬間どこかホッとした気持ちになる。

しかしすぐに、先日の克弘からの告白が頭をよぎった。告白されてから会うのはこれが初めてだ。

バーテンダーに、克弘から2席空いた場所を案内され、奈津子は腰を下ろしながらちらりと克弘を見る。

克弘とは、最初に「偶然ですね」と軽く言葉を交わしたものの、「一緒に飲みましょう」とも「隣にどうぞ」とすすめてくる様子もない。

ここでまったく会話をしないのも不自然かと思い、奈津子が何か話しかけようとした瞬間、克弘が先に口を開いた。

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