SPECIAL TALK Vol.65

~「お金がない」と可能性を諦めないで、挑戦があふれる社会を目指したい~

面白い人に出会うたびに素直に反応して行動を起こす

金丸:実際に起業されたのは何歳のときですか?

米良:READYFORは最初、松尾先生の会社の事業としてスタートしました。それが23歳のときです。そこからスピンアウトするかたちで起業したのが、25歳です。

金丸:20代前半とは早いですね。ビル・ゲイツやマイケル・デル、スティーブ・ジョブズも20歳前後で起業しています。私はテクノロジーが生まれ変わるとき、若い人たちにその先端技術を使ったビジネスモデルで起業するチャンスが訪れると考えています。実際にインターネット起業家には、若い人たちが多くいますし。

米良:私は松尾先生と出会ったことで、テクノロジーの面白さや世の中を変えることができるテクノロジーの力に気づきました。それに、テクノロジーカンパニーに就職しなくても、実現したいものは自分で作ればいいんじゃないかと思っています。起業したときも会社や組織についてわからないことはたくさんありましたが、だったらわかる人がどんどん仲間になってくれればいいかな、くらいの気持ちでした。

金丸:ビル・ゲイツも研究開発に専念するために、会社のマネジメント人材は外部から連れてきましたからね。お話を伺っていると、米良さんの人生は、人との出会いが鍵になっていますね。

米良:そうですね。昔から「この人、面白いな」と思うと、ストーカーのように追いかける気質なんです(笑)。「この人みたいになりたい」とか、「この人の近くにいると、さらに面白い話があるんじゃないか」とか。ゼミの選び方もそうだし、松尾先生や古川先生との出会いもそうだし、その後出会った起業家や経営者の方々に対しても、臆せず距離を詰めていきます。

金丸:そう、ぐいぐいと(笑)。米良さんは自分の興味や関心にとことん素直で、起業も恐れずに決断しています。私もいろいろな人から相談されますが、「なぜ起業しないの?」と聞くと、「やり方がわからないから」と言われることがよくあります。でも、起業は山登りと同じです。山はルートが決まっているわけではなく、みんな自分の好きなように、好きな場所から、好きな登り方で登ればいい。だけど、こと起業となると、「起業のパターンややり方を学ばないとできない」となってしまう。

米良:それだと踏み出すまでに時間がかかりますよね。

金丸:「とにかく山を登ればいいんだ」と思える人と、そうでない人に分かれる。米良さんの場合は、人との出会いがあって、「みんな楽しそう! 私も登ってみたい」と思ったわけですよね。素直に反応して行動を起こすからこそ、また新たな出会いを呼び寄せているのでしょう。

米良:いつも人に引き上げていただき、いろいろなチャンスをいただいていますね。だからそれに応えたくて、「自分が果たすべき役割ってなんだろう」と考え、自分がやりたいことと、周りから求められている役割を紐づけて行動することが好きなんです。

金丸:政府系の有識者会議にも出席されていますよね。

米良:未知の世界にかかわるのはすごく楽しいですよね。私にとって事業のモチベーションとは、売上や業績を最大化させるとか、時価総額を増やすとかではなく、社会変革なんです。政治の話も自分にとっては、社会変革のツールのひとつだと捉えています。今は経営という手法で社会変革という山に登っていますが、経営以外にもいろいろな登り方があります。だから政府系の会議でいろいろな話を聞けるのは、面白いし楽しいですよ。

金丸:好奇心旺盛なのも米良さんの強みです。

米良:私が知らないことを知っている人は、大好きですね。

金丸:人に対する好奇心がすごい(笑)。好奇心は無限に力を生み出してくれるエンジンです。米良さんにとって、相手が何歳かなんて全然関係ないでしょう?

米良:関係ないです。年上でも年下でも、面白いことをやっている人が好きなので。

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