閑静な住宅街に意表を突く形で点在するのが大人が集う街、白金の隠れ家だ。
昨年末にオープンした『Minet.』も、まさにそう。上質な空間でゆっくり語らう。そんな夜に訪れたい。
究極のシンプルがもたらす〝疲れないフレンチ〞
どこかアットホームな雰囲気が漂う白金の商店街。その中ほどに佇むビルの地下に、知る人ぞ知るフレンチがオープンした。
美食感度の高い近隣住民の間では、早くも話題となっているが、その理由は隠れ家的立地だけにあらず。
オーナーシェフの峯岸昌昭氏が生み出す、“シンプルで優しいフレンチ”が評判となっているのだ。
その核となるのが、彼が長野県のリゾートホテルや北海道・本場フランスで経験を積んだときに出合った野菜だ。
「僕は素材がもつ本来の旨みをどう引き出すか。最良の方法を見極め、極力シンプルに調理し提供するだけです」。
そう謙遜するが、調理法や味付けの異なる10種類以上にも及ぶ野菜が美しく盛り付けられた1皿は、みずみずしさ、力強さ、自然の甘み…。
静かに押し寄せる旨みに魅了され、その後に続くコースへの期待が否応なしに高まる店のスペシャリテだ。
自然派ワインを中心に、リンゴ農家直送のシードルなど。ほおずきの自家製シロップをスパークリングで割った1杯（￥1,600）は、はちみつのようなコクと柑橘のフレッシュさが爽快な喉越し（ノンアルコールも有）。
メインは「長野県産鹿ロース肉のロースト」。低温で2時間、じっくり火入れした美しき断面に注目。黒胡椒のソースがアクセントに。また、フランス版ミシュラン2020で２ツ星のレストランとなったシャンパーニュ地方ランス市内にある『ラシーヌ』田中シェフとコラボディナーを5月5日に開催。
