妻の年収が夫を超えた時。“男のプライド”を甘くみた女に訪れた、結婚3年目の危機

最初は理解ある夫だったが・・・事業が軌道に乗ったら豹変


「健吾と結婚した当時も、私の事業はというと、ようやく赤字は脱したものの軌道に乗ったとは言いがたい状態。いつもアップアップしていました(笑)。でも…健吾は、そんな風に頑張っている私が好きだと言ってくれ、私の仕事を心の底から応援してくれていたんです」

こうして理解ある人生のパートナーを得たことは、萌の心境にも大きな変化をもたらしたという。

「健吾がそばにいてくれることで、自分に自信が持てるようになったというか。積極的に打って出よう!という気になれたんです」

そのお陰だろうか。結婚して1年半が経った頃、萌に大きなチャンスが巡ってきた。

なんと、数々の雑誌で表紙を飾る超有名モデルが萌のブランドの服を気に入り、私服としてSNSで紹介してくれたのだ。

「この効果は絶大でしたね。掲載直後からECサイトに注文が殺到して。有名モデルが紹介してくれたワンピースはもちろん、そのほかの商品もあっという間に完売しました。

すぐにアポイントを取り、お礼を伝えに行きました。もちろん新作のお洋服も持参して。そうしたらまたSNSで紹介してくださって…。

それで私、勢いのまま彼女に次のカタログモデルをお願いできないかって依頼したんです。事務所を通じて提示された金額は正直、目が飛び出るかと思いましたが...それでも払う価値はあると思って、勝負に出ることにしました。その読みが、当たったんです」

売れっ子モデルを起用したことをきっかけにして、売り上げは右肩上がりに伸び続けた。そして遂に、目標としていた年商1億を突破したという。

ところが、その頃から少しずつ夫の様子がおかしくなっていったという。

「それまでは私の仕事の話も楽しそうに聞いてくれていたのに、浮かない顔をするようになって…あまりにも嫌そうにするから、家で仕事の話ができなくなりました」

さらに最近では、ひがむような発言をすることもあるそうだ。

「『萌はいいよな。好きなことで金が稼げて』とか『楽しそうな仕事で羨ましいよ。俺なんて…』とか。そんなことを言うような人じゃなかったのに、一体どうしちゃったの!?ってびっくりです」

会社の成長とともに萌の収入も増えたので、もう少し広い家に引っ越そうかと提案したそうだが、その際も夫はいい顔をしなかったらしい。

「私がチャレンジできるのは、安定した仕事に就いて支えてくれる健吾がいるから。今のような好調だって正直、いつまで続くかはわからないんですから。そう何度も話しているし、感謝の気持ちも彼に常々伝えてきたつもりです。それなのに」

懸命に努力して、やっと、ようやくここまできたのだ。夫だって、頑張っている姿を応援してくれていたはずなのに。

「私、甘く見ていたのかもしれません、男のプライドってやつを」

結婚3年目。

仕事面では予想外の成功を収めた妻だったが、夫婦関係には亀裂が入ってしまったようだ。


▶NEXT:12月28日 土曜更新予定
妻に年収を超えられてしまった、夫の胸の内

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