「あんた、大変やな!」東京で生まれ育った箱入り娘が、大阪生活にハマった理由とは

東京は、飽きない街である。

東京都の人口は、約1,400万。47都道府県ある中、1割以上の日本人は東京に住んでいるという計算だ。

その分、人との出会いが多く、刺激的な仕事も多い。この生活に慣れると、東京以外で暮らすということが考えられなくなってしまう。

もしそんなとき、“地方に住む”という選択肢を提示されたら…?

これは「地方に住む」経験をした(している)人の、リアルな体験談である。

東京以外での生活は、アリだった?ナシだった?

前回は、兵庫県神戸市に住む香澄さんに話を聞いた。今週は、そのお隣・大阪で暮らす奈緒子さんの毎日を覗いてみよう。


<今週の地方在住者>
名前:奈緒子さん(仮名)
年齢:38歳
住居:大阪府大阪市


待ち合わせ場所として指定されたグランフロントの『DEAN&DELUCA』に向かうと、すでにテラス席に座っていた奈緒子さんがこちらに向かって手を振った。

「すいません、かなり早くついちゃって。お先にお茶いただいちゃってます」

そう言って笑う顔は、まるで20代前半のように若々しい。装いもストライプ柄のシャツにワイドパンツとごくカジュアルなため、その胸に10ヶ月の赤ちゃんが眠っていなければ、大学生のようにも見えそうだ。

しかしそんな奈緒子さんは、渋谷区松濤の大豪邸出身。実家は誰しもが知る日本有数の大企業のオーナーで、自身を含めた家族や親族の多くは下から慶應…という、超が3つは付きそうな超ド級のお嬢様だ。

一体なぜそんなお嬢様が、東京から大阪へ住まいを移すことになったのか。

「主人が、主人の家業の会社の大阪支社長になったんです。大阪を継ぐ予定だった2番目の義理の兄が、外資で武者修行中そのまま海外に移住してしまって…。東京本社は1番上の義理の兄が継いでいるので、私たちは多分このままずっと大阪に住むことになると思います」

あっけらかんと語る奈緒子さんだが、渋谷区育ちのお嬢様が大阪に永住するのにはかなりの覚悟が必要だったはずだ。

「それはそうですね。当時、上の娘はまだ1歳で、幼稚舎受験の準備を始めたばかりでした。親族からは『当然ご主人には単身赴任してもらって、こちらで慶應に入れるんだろう』というプレッシャーがあったんですけど…。唯一強く反対する人がいたんです」

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