2019.10.21
奥深いワインの世界を極めるのはなかなか難しい。だが、覚えておくに相応しい一本がある。
1985年にニュージーランドのマールボロで産声を上げた「クラウディー ベイ」。
ニュージーランドワインの実力が世界に認められたのは、このワイナリーがきっかけだったと言っていい。
ソーヴィニヨン ブランとピノ ノワール。ひとつの土地から生まれたこの白と赤は、特別なディナーをより最高のものにする。
世界が認める白ワインの土壌は素晴らしい赤をも創る
「クラウディー ベイ」はニュージーランドのワインの価値を、プレミアムな存在に高めた立役者だ。
特に”世界が白に目覚めた1本“ と評されたソーヴィニヨン ブランで知られる。
10月にはヴィンテージ「ソーヴィニヨン ブラン2019」が発売に。食欲をそそる濃厚なトロピカルフルーツの味わいが楽しめると話題だ。
一方で、ここ数年で徐々に評価が高まっているのがピノ ノワールだ。
シルクのような滑らかなタンニンとベリーの豊かで凝縮された果実味がエレガントな骨格を思わせ、華やかにディナーを彩る。
面白いのは、両者が同じ土地で造られている点。
「ひとつの産地で2つのブドウをそれぞれ完璧に造れる土壌であることは、ラッキーでしかありません」とは、ブドウ栽培責任者のフラナガン氏。
日照量と時間が豊富で長く、醸造期間が通常より長期間に及ぶゆえ、ブドウに風味が蓄えられ、より芳醇な味へとつながるのだとか。
もうひとつ、忘れてはならないのは、和食や魚介を素晴らしく昇華する実力を併せ持つ点だ。
来日10回以上の日本通、テクニカルディレクターのホワイト氏によれば、
「焼き鳥、きのこ類、肉にはピノ ノワールを。うなぎの白焼きや旬の野菜、そして刺身にはソーヴィニヨン ブランが、それぞれの良さを引き出します」。
味覚の秋、新たなるペアリングを探してみよう。
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