結婚と同時に女に待ち受けるのは、“義実家”という呪縛。
奇妙な風習、監視の目、しきたり、そして義家族たちの薄笑い…。
夜な夜な響くその声は、幸せでいっぱいだったはずの新妻の心を蝕んでゆく。
―逃ゲヨウトシテモ無駄ダ…
◆これまでのあらすじ
看護師の岡林沙織(26)は、恋人の清川宗次郎(28)からプロポーズを受け、1年の交際を経ていよいよ結婚することが決まった。
宗次郎の母親が病に倒れたということもあり、悩みながらも義実家での同居を決意した沙織。
数々のしきたりに不安を感じていたが、宗次郎と一緒に乗り越えることを決意する。ただ、肝心の結婚式の日取りを“占いで決める”と告げられ、困惑を隠せない沙織だった。
―なんか、息苦しい…。
まるで森のような鬱蒼とした木々に囲まれたこの家は、昼間でも薄暗い。天気も時間もわからない閉鎖的な空気に、沙織はなかなか馴染めずにいた。
同居を始めて数日が経つ。沙織はなるべく広い家や庭を散策することで、この家に慣れようとしていた。
直射日光が......
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