呪われた家 Vol.3

玉の輿に乗ったはずが…。夫の実家からの「男児を産め」というプレッシャーに縛られる女

―結婚―

それは、愛し合う男女が二人で新しい家庭を築くこと。

だがその儚い幻想が、見事に打ち砕かれたら…?

女は生まれ育った家を、それまでの人生を捨て、嫁ぎ先に全てを捧げる。結婚と同時に“家”という呪縛が待ち受けているのだ。

奇妙な風習、監視の目、しきたり、そして義家族たちの薄笑い…。

夜な夜な響くその声は、幸せでいっぱいだったはずの新妻の心を蝕んでゆく。

―逃ゲヨウトシテモ無駄ダ…

看護師の岡林沙織(26)は、恋人の清川宗次郎(28)からプロポーズを受け、1年の交際を経ていよいよ結婚することが決まった。

しきたり其の一“婚礼衣装は姑の物を引き継ぐこと”

しきたり其の二“夫の帰宅は毎日玄関で出迎えること”

早速突き付けられた義実家のルールは、沙織を追い詰めていく。

そんな中、宗次郎からの電話で「母さんが倒れた」と伝えられ、急遽病院へ向かう沙織だったが…


沙織が病院に駆け付けたときには、千鶴子はすでに一般病棟へ移動していた。

宗次郎の案内で病室へ向かうと、千鶴子の姿を見て胸をなでおろす。顔色は優れないが、しっかりと体を起こし二人に向かって笑顔を見せる。

「母さん。沙織が来てくれたよ。じゃあ、俺は仕事行くね」

宗次郎はそう言うと挨拶もそこそこ、そそくさと出て行ってしまった。当然沙織は戸惑ったが千鶴子は嬉しそうに手招きしている。

「沙織さん、わざわざありがとう。お忙しいのに来てくださって。寝巻姿でお化粧もしてないのに、こんなところを見られて恥ずかしいわ」

「そんなこと気にしないでください。私は看護師ですし、見慣れた光景ですよ。それに、もうすぐ家族になるんですから」

千鶴子が差し伸べた手を、沙織は両手で握りながらそう言った。病に伏せる千鶴子を励まそうととっさに出た言葉だが、なぜかヒヤッと背筋が一瞬冷たくなるのを感じた。

【呪われた家】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo