もう1人の私 Vol.6

人妻への想いが立ちきれず、夫と直接対決。28歳エリート商社マンが持つ裏の顔

貴方は、自分の意外な一面に戸惑った経験はないだろうか。

コインに表と裏があるように、人は或るとき突然、“もう1人の自分”に出会うことがある。

それは思わぬ窮地に立たされたとき、あるいは幸せの絶頂にいるとき。

......そして大抵、“彼ら”は人を蛇の道に誘うのだ。

前回登場したのは、モテるのに二番手になっるきらきらOL・翔子

今回は、翔子の元カレでエリート商社マン・武(28歳)の「もう1人の自分」を紹介する−。


「あなたは本当に正義感が強い、良い子ね。お母さんの自慢の息子よ」

武の脳裏に、子どもの頃、母親に抱きしめられながら褒められた記憶がふと蘇る。

今朝も、駅のホームで座り込んでいるお婆さんをおんぶして、駅員室まで連れて行ったところだ。

大学時代から体育会のラグビー部に所属していた武は、見た目も爽やかでガタイもいい。

女性の一人や二人軽々と抱きあげられる。

“困っている人がいたら助ける”それが、武のモットーだ。

最近まで付き合っていた翔子ともそうだった。

彼女が悲しそうに泣いているところに遭遇し、放っておけないと思って声をかけたことが始まりだ。

「どうにかしなくては」「どうにかしてあげたい」その気持ちは、武の行動力の源だ。

思えば幼い頃から、風紀を乱す人間が大嫌いだった。ルールを破るクラスメイトには、行動を改めるよう注意した。それでも直らなければ先生に悪事を報告し、しかるべき対応をしてもらってきた。

社会に出てから驚いたことがある。人助けをして会議に遅刻したことが数回あるが、「病人を助けていて遅刻しました」と説明しても、上司は「そんな嘘をついて…」と全く信じてくれないのだ。

その上、得意先の会議に遅れるなんて、何を考えているんだ!」と、怒鳴られたこともある。

そんな時、武は思う。自分は何も間違ったことなどしていない。困っている人を見捨てるなんて、利己的な人間のする愚かな行為だ。

だから、正々堂々と自分を貫けば良い。

「僕は何も間違ってなんかいない。良い子なのだ」

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