
男の勘違い:「今夜、抱かれてもいいと思ってる?」高級鮨屋で起きた、男女の惨劇
「林田さんと出会ったのは半年前。いわゆるお食事会です。年齢は確か36歳で独身だったけど…私は最初から、まったく好みじゃなかったんです」
そのお食事会には林田を含め3人の男性がいたらしいが、静香は初見で「あ、今回はハズレ」と諦めたという。
「なんだか上から目線でごめんなさい。でも好みってものがあるから仕方ないですよね。私、ギラついている男の人って無理なんです。林田さんを含めて、全員がそういう感じの人だったから。でもたまたま隣になった林田さんが広告代理店勤めだというので…私、モードを切り替えることにしたんです」
モードを切り替える…?どういう意味かと思案をしていると、静香は「つまり…」と補足をしてくれた。
「男としては興味ないけど、仕事相手としては俄然興味アリなわけです。名刺を渡し、自分の仕事のことを思いっきりアピールしました。林田さんも熱心に話を聞いてくれ、何かあれば声をかけさせてもらうよ、と言ってくれて」
手応えを感じた静香はその日、「収穫があった」と喜んで帰宅したという。
「その数日後、林田さんから食事に誘われたんです。なかなか予約が取れないことで知られる神楽坂の高級料亭。ちょうど予定のない日だったし、そんな機会なかなかないしと思って即レスでOKしました」
静香は最初から、林田に男としての興味を持っていなかった。そんな中二人きりで、しかも高級料亭に誘われたことを彼女はどのように受け取ったのだろうか。
「そうですね…どういうつもりなんだろ?と考えはしました。でも私、食事会の席でも女を見せるような態度は一切とってませんし。林田さんとの会話、ほぼ仕事の話でしたしね。だから私が彼にノー興味であることは伝わっているはず。その上で誘ってくれるなんて有難いなぁ、と…」
自分では到底足を踏み入れられない高級料亭に連れて行ってもらえる。しかも、ご馳走してもらえるなんてラッキー。
それ以上のことは深く考えず、静香はウキウキと林田との約束に出かけた。
「紳士的にエスコートしてくれ、当然ながら食事も美味しい。林田さんって話題も豊富だし、楽しい時間だったんですよ…途中までは」
静香は華奢な両腕をテーブルに乗せ、ふぅと息を吐いて頬杖をつく。そして苦々しい顔つきで話を続けた。
「お酒が入っているっていうのもあると思うんですけど…時間が経つにつれ、会話がどんどん変な方向になっていって。静香ちゃんってどういう人が好みなの?から始まって、私はドン引きしてるのにも関わらず、やたら生々しい話を聞いてくるんです。例えば…最近キスしたのいつ?とか」
当然、静香は明らかな拒絶を示した。「そういう話はちょっと」とか「別の話しません?」などと言ってはっきりと伝えた。
するとそのうちに林田も諦めたらしく、今度はわざとらしいほどに仕事の話にシフトしたという。
「ああよかった。“その気”はないって、やっと伝わったんだと思いました。だから私も安心して、つい言っちゃったんですよ。別れ際に、社交辞令で…」
この記事へのコメント
凄い。笑
日帰り金沢は
口説かれるのは覚悟でしょ。
男に誘われても匂わせつつ
回避する話術もなくて、ノコノコ行くなよ笑
残念!!