港区モード Vol.3

最後の男:“条件”で選んだ夫に募らせる不満。既婚者食事会に参加する、人妻女の胸の内

港区には、モードな男たちが多数出没する。

スタイリッシュで、品があり、上質なファッションを纏う『港区モード』な男たち。彼らが街を歩けば、そこにドラマが生まれる。

この連載では、『港区モード』な男を目撃した人々に起こる、小さなドラマをご紹介しよう。

人生の「最後の男」を探し求める千沙の悩みを聞いていた薫。今回は薫が、自身の結婚事情について語る。


― あなたは、人生で一番好きになった人と結婚しましたか? ―

そんな質問をされた時、胸を張って「はい」と言える人が、世の中にはどれくらいいるのだろうか?

結婚して5年。夫のことは好きだけれど、「一番好きになった人か」と問われても、私は「Yes」と言えないかもしれない。

千沙ちゃんが事あるごとに言う「最後の男」という言葉。

「最後の男」と「一番好きになった人」がイコールの人がいれば、私は素直にその人を羨むだろう。

私にとっての「最後の男」が、夫であることは間違いない。ただ…。





「薫さん、まさか既婚者同士の食事会とかに行ったりするの?」

1週間前、心底驚いているという顔の千沙ちゃんからそう聞かれて、私は無言で頷いた。

「だって薫さん、旦那さんとすごく仲いいのに!」

千沙ちゃんの責めるような口調に、私はきっと苦笑いをしていたと思う。

たしかに、私は夫と仲がいいし、離婚など考えたこともない。ただ、たまに数人の男女で集まって食事して交友関係を広げ、その中に気が合う男性がいれば、二人で食事に行くこともあるという、それだけのこと。

レストランに行って美味しい食事とワインを堪能して、少しだけチヤホヤされ、いい気分になって帰る。

たしかに最初の数回は、夫への後ろめたさのようなものを感じたことはあるけれど、食事以上のことはしていないのだから、必要以上に罪悪感を持つ必要はないのだと思っている。

でも「最後の男」について千沙ちゃんに力説されるようになって、私は考えるようになった。

もし、今の夫ではなく20代前半に付き合っていた博樹と結婚していたら…?私はやっぱり、今のように既婚者食事会へ行っていたのだろうか?

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