港区モード Vol.1

最後の男:「君のこと、すごいタイプ」。耳元で囁かれた女が、男の誘惑に負けた夜


私はこの日、女友達に誘われるまま久しぶりに食事会に参加していた。

もちろん罪悪感はあったけれど、「他の男の人を見て、自分の彼氏の価値を再確認することもあるよ」などと女友達にそそのかされて、参加することにした会だった。

3 on 3のお食事会。ここで私は、一番イケメンで一番スペックの高い男・向井から、なぜか気に入られたのだ。

180cm近い長身と綺麗な二重の目元。清潔感あふれる容姿で、外資系大手IT企業で働くエリートの向井。そんな彼が、食事会の終盤で急に仕掛けてきたのだ。

「千沙ちゃん、待ってたよ」

お手洗いから、皆がいる個室に戻ろうとした時、向井から声を掛けられた。さらに彼は私の耳元にぐっと顔を近づけて、こう言葉を続けた。

「ねえ、千沙ちゃん。二人で抜けて飲みに行かない?俺、千沙ちゃんのことすごいタイプでさ」

いくら久しぶりの食事会とはいえ、今までだったらこんな軽い誘いに乗ることはない。

でも……ただの言い訳かもしれないけど、向井は人の“心の隙間”に上手に入りこむ男なんだと思う。

私が「無理です」と断っても、向井はそんなことお構いなしに「じゃあ、30分後に『マデュロ』で会おうね」と言ってくる。

それを無視することもできず、きっかり30分後に私は『マデュロ』を訪れていた。

向井は、私がずっと求めている「最後の男」になんて、絶対になり得ないような男。

そんなことは分かっていても、私の中に、引き返すという選択肢はなかった。

▶Next:6月4日 火曜配信予定
向井と二人きりになる千沙。孝太郎との関係は…?


今週の港区モード:「ジョルジオ アルマーニのスーツ」


“モードの帝王”とも評されるアルマーニが手がける一着は、フルキャンバス仕立てにより構築的なフォルムのスーツ。

スーツ¥450,000、シャツ¥49,000、タイ 参考商品、ベルト 参考商品、時計¥155,000、シューズ¥120,000〈すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン03-6274-7070〉、その他/スタイリスト私物

この上なく上質なのに主張しない一着だから生まれる、凛とした佇まい。それこそ、男を魅力的に演出する最高のスパイスだ。

正統派とされるネイビーの一着は、薄く肩パッドの入った水平なショルダーラインが身体を美しく演出し、グッと絞り込まれたウエストラインからは、そこはとなく色気が漂う。

一見品の良いビジネスマンのように見えるが、ウールにシルクを混紡させたことによるほのかな光沢感が、何気ない動きで感じられ、只者ではないという空気を醸す。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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