ーなによ、コレ..?
黒い封筒の中身を見た瞬間、奈月はとっさに辺りを見渡した。幸い、ポストルームには自分一人しかいない。
―一体、誰が…?
突然届いた宛名のない封筒には、重厚な見た目の割に、一枚の紙が入っているだけだった。しかし、それを見た奈月は全身の血の気が引き、......
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ーなによ、コレ..?
黒い封筒の中身を見た瞬間、奈月はとっさに辺りを見渡した。幸い、ポストルームには自分一人しかいない。
―一体、誰が…?
突然届いた宛名のない封筒には、重厚な見た目の割に、一枚の紙が入っているだけだった。しかし、それを見た奈月は全身の血の気が引き、......
ーまるでお城みたいに、高くて真っ白な塔。私もあそこの住人の、一人になれたなら…。
ずっと遠くから眺めていた、憧れのタワーマンション。柏原奈月・32歳は、ついに念願叶ってそこに住むこととなった。
空に手が届きそうなマイホームで、夫・宏太と二人、幸せな生活を築くはずだったのに。
美しく白い塔の中には、外からは決してわからない複雑な人間関係と、彼らの真っ黒な感情が渦巻いていたー。
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