SPECIAL TALK Vol.54

~フランスパンを日本の食文化に、その挑戦に自分のすべてを捧げたい~

2020年のニューリーダーたちに告ぐ

「フランスパンは日本文化に馴染まず、長続きしない」。そんなパン業界の常識を覆したのが、2000年に1号店がオープンした『メゾンカイザー』だ。

同店を運営するブーランジェリーエリックカイザージャポンの社長を務めるのは、木村周一郎氏。誰もが知る老舗中の老舗、木村屋總本店に生まれ、家業と距離を置いた時期があったものの、紆余曲折を経て、再びパンの世界に引き寄せられた。

業界では遅いとされる27歳からパン職人としてのキャリアをスタートさせ、実家からの援助を一切受けずに開業。そんな木村氏の生き様から、失敗を恐れず、独立自尊の精神で歩み続けるためには、何が必要なのかを探る。

木村周一郎氏
1969年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、6年間勤務した生命保険会社を退社し、米国製パン研究所(AIB)へ留学。ニューヨークの『エイミーズブレッド』での修業ののち、フランスのパン職人、エリック・カイザー氏のもとへ。腕前と経営センスを見込まれ、帰国後にエリック・カイザー氏の在日パートナーとして株式会社ブーランジェリーエリックカイザージャポン設立。メゾンカイザー国内1号店として高輪に店舗をオープンさせたのを皮切りに、店舗を拡大しつづけている。近年は同社の代表として、玉川大学でホスピタリティ産業に関する講義を定期的に行うなど多岐にわたって活躍する。

金丸:今回は、ブーランジェリーエリックカイザージャポンの代表取締役である木村周一郎さんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。

木村:こちらこそお招きいただき光栄です。

金丸:今日の対談の舞台は、港区麻布台にある『T3』です。Time(時間)、Temperature(温度)、各国のスパイスをアレンジして使う、Travel(食体験の旅)、これら3つのTが店名の由来だそうです。テレビ番組『料理の鉄人』に出演していたエリック・ジーボルト氏に師事し、アメリカで修業を積んだシェフの、唯一無二な独創的フレンチをお楽しみください。

木村:とても楽しみです。ありがとうございます。

金丸:さて、木村さんはフランスでも一目置かれるパン職人、エリック・カイザー氏とタッグを組んで、『メゾンカイザー』を展開されています。最近では日本のライフスタイルに、さらにパンを根付かせるため『グリル&バー』や『BaKING SHU』など、パンをより身近に感じられるような仕掛けのあるお店もオープンされています。そんな木村さんは、もともとは、あんぱんを発明したことで有名な、パンの老舗中の老舗、木村屋總本店がご実家ですよね。

木村:父の周正が6代目社長でした。現在は、いとこが社長をしています。

金丸:お父様は木村さんに継がせるつもりだったのでは?

木村:そうだったと思います。

金丸:ところが木村さんは家業を継がずに、ご自身で起業し成功されている。木村さんがどのように育ち、どんな決断を経て今に至るのか、じっくりお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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