人はいつだって、恋できる。
だが振り返ったときにふと思うのだ。
あのときの身を焦がすような激しい感情を味わうことは、もうないのかもしれない。あれが「最後の恋」だったのかもしれない、と。
それは人生最高の恋だったかもしれないし、思い出したくもない最低な恋だったかもしれない。
あなたは「最後の恋」を、すでに経験しているだろうか…?
この連載では、東京に住む男女の「最後の恋」を、東京カレンダーで小説を描くライター陣が1話読み切りでお送りする―。
前週は、マリッジブルーに悩まされる隆太郎を紹介した。今回は、彼の初恋の人・瑞子(36歳)の物語。
冷めきった夫婦関係
「それでね、隆太郎くん、ついに蓮子さんと結婚するんだって」
「へ〜」
「2人はね、人気俳優のタケルくんと仲良しだったんだよ」
「へ〜…」
「あの子達を受け持ってからもう12年経つなんて、時間が経つのは早いなぁ」
「ん〜…」
不毛だ。いつもそう。孝蔵......
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この記事へのコメント
と文系の私は思った
完結だから、その女性の物語だけで、瑞子カップルには影響及ぼさないとは思うけど🙃