人はいつだって、恋できる。
だが振り返ったときにふと思うのだ。
あのときの身を焦がすような激しい感情を味わうことは、きっともうない。あれが「最後の恋」だったのだ、と。
それは人生最高の恋だったかもしれないし、思い出したくもない最低な恋だったかもしれない。
あなたは「最後の恋」を、すでに経験しているだろうか…?
この連載では、東京に住む男女の「最後の恋」を、東京カレンダーで小説を描くライター陣が1話読み切りでお送りする―。
前回は、親友から密かに想いを向けられていた女を紹介した。
今日お送りするのは、彼女の恋人である隆太郎(30歳)の物語。
「ホント残念。12年ぶりの再会の日に出張だなんて。」
クローゼットからラルディーニのジャケットを取り出すと同時に、電話の向こう側から大きなため息が聞こえる。
「まあまあ、念願叶った仕事なんだから、頑張れよ。蓮子の分まで、しっかり報告してくるからさ。」
婚約者である蓮......
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この記事へのコメント
フイタwww
それはそうとこの連載は東カレライターさんが、リレー式で書いてるのね!
カンジョウ忘れがちになるから忘
レないようにしなきゃね