人はいつだって、恋できる。
だが振り返ったときにふと思うのだ。
あのときの身を焦がすような激しい感情を味わうことは、もうないのかもしれない。あれが「最後の恋」だったのかもしれない、と。
それは人生最高の恋だったかもしれないし、思い出したくもない最低な恋だったかもしれない。
あなたは「最後の恋」を、すでに経験しているだろうか…?
この連載では、東京に住む男女の「最後の恋」を、東京カレンダーで小説を描くライター陣が1話読み切りでお送りする―。
前回は、イケメン俳優・タケルと1年限りの恋をした女性を紹介した。
今回はそんなタケルを傍で見守ってきた、あるマネージャーの物語―。
「タケルさん、今夜もお疲れ様でした。明日のオーディションは12時からで、時間はあるけど、今夜は女の人のところに行かないでちゃんと部屋に戻ってくださいね。…俳優人生の大一番よ」
私は車のバックミラー越しに、後部座席のタケルを見た。私の声なんてまるで聞こえない、というふうに彼は外を......
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この記事へのコメント
万が一ミサの子供がタケルとの子だったらと思うと恐ろしい…
男性から見たらこれって美しい友情なのかなあ。
女から見ると、タケルの優しさが傲慢に見えちゃうかも。親友のために身を引きましたなんて。。
身を引いてなくても、選ばれてなかったかもよ。