実家暮らしの恋 Vol.1

実家暮らしの恋:28歳の美人商社OL。周囲が絶賛する“完璧な女”の、男は知らないズボラな一面


遥の新恋人・圭介はというと…?


―圭介:会食終わったよー。後輩と軽く飲んで帰るね。

圭介は遥にLINEを送り、部署の後輩・池田との会話を続ける。

「え、大石さん、彼女出来たんですか?うわー、めでたいな。いつ以来ですか?何個下ですか?かわいいですか?写真見せてくださいよ。うわー、めっちゃ美人じゃないですか。賢そう、綺麗系。え、で、出会いは?デートはどこでしたんですか?」

接待の肩の荷が降り、酔いが回り出した後輩から、圭介は質問攻めに合う。

「普通に食事会だよ。久々に声がかかったから。デートはこの間、『オステリア アッサイ』に行ったかな。彼女、“できる女”って感じだから、店選び緊張したけど。喜んでたよ」

食事会で、圭介は遥に一目惚れをした。圧倒的に美しい外見はもちろんのこと、同年代の女性にはない凛としたオーラに強く引き付けられたのだ。

酔っ払った池田が、圭介にさらに絡む。

「いやー、良かった。圭介さん、研修前からずっと彼女いなかったし、ポートランド研修中も遊んでなかったって聞いてたから、全然興味ないのかと思いましたよ。てっきり仕事一筋なのかと」

「別に興味がないわけじゃない。ピンとくる子がいなかっただけだよ。でも、この子は本当に大事にしたい。歳も歳だしな」

「あ、それ俺この間聞いたんですけど。出会ってすぐ、結婚にビビッときたってやつ?そのカンって当たってるらしいですよ」

「やめてくれよー、そんなまだ早いよ。…でも、真剣に考えたいと思ってはいる」

「おおー、すげー。めっちゃ惚れてるじゃないですか!彼女さんって、独り暮らしですか?」

「まだ聞いてないけど、都内に住んでるし、料理が趣味って言ってたからな」

実は遥について知らないことがまだ多かった。食事会で一目ぼれして初めてのデートですぐに告白。早くアタックしないと他の男にとられてしまいそうで、気が気じゃなかったのだった。

「彼女さん、28歳でしたっけ??まぁ普通に考えれば独り暮らしですよね。料理が得意な彼女っていいなぁ~。・・しかもこんな美女!!」

褒めちぎってくる後輩をなだめながら、圭介は既読にならないLINEを見ながら遥のことを思った。

遥は今頃、家で何をしているのだろう。彼女のことだから栄養バランスの取れた完璧な食事を作り、今頃ベッドで本でも読んでいるのだろう。

―彼女との距離をもっと縮めたい。
―彼女をもっと知りたいし、自分を知ってほしい。


遥が母親の作った手料理を食べ、温かい風呂に入ってソファでうたた寝していることも知らず、圭介は遥の手料理を食べる幸せな夜を思い描いているのだった。

そしてこの後、お互い知らなかった“ある事実”が、2人の前に大きく立ちふさがることになるのだったー。


▶NEXT:2月17日 日曜更新予定
実家暮らしの遥と、彼女と恋に落ちた圭介。付き合いが深まる中で知る、「ある事実」とは…?

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

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No Name
実家暮らしとかそうじゃないとか大きなお世話。
「実家暮らしだから〇〇」じゃない気がする。本人にその気があるかないか。料理だってその他の家事全般だって、実家にいようといまいとやる人はやる。家賃分実家に収めてる人だって大勢いるでしょうに。逆に一人暮らししてようとだらしない人はだらしない。実家暮らしか否かは本質ではないと思う。
2019/02/10 05:3499+返信50件
No Name
とりあえず、料理が趣味って嘘をつくのはやめましょう💦
2019/02/10 05:4199+返信6件
No Name
28歳女性で都内にある実家に住んでるって、駄目なの? 職場から遠いとか、親と折り合いが悪いとかの問題が無い場合は、実家がら出なくても良い気がするけれど、社会人は実家から出ないと非難されるの?
2019/02/10 05:4099+返信21件
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