土屋太鳳がガーデンプレイスのツリーにはしゃぐから、もうこっちまで幸せになった！

「この業界には私よりスタイルが良くて綺麗な人がたくさんいます。お芝居が上手な人だって、たくさんいます。その中で私はやっていくことを決めたわけですから、自分だったら何ができるかを一生懸命考えました。

辿り着いた結論は、元気でいること。痩せてパワーを無くしている土屋太鳳なんて誰も見たくないはず。だから、体調を崩さないように、体力をつけるようにと、しっかりごはんを食べるんです。

それで、テレビの向こうにいる方々が少しでも笑顔になってくれたら、こんなに幸せなことはありません」

彼女は、自分が世間から何を期待されているのかを理解しようと努めている。そして、それを実現しようと行動する。それはまさしくプロフェッショナルの在り方だ。

しかしである。土屋さんは弱冠23歳。初仕事からすでに10年ほど経過しているとはいえ、一体、そのプロ根性はどこで、どうやって養われたのだろうか。彼女は言った。

「テレビや映画を作っているとき、そこに観客は不在だから、誰に何を伝えるか、何を伝えたいのか、自分自身のビジョンを整理する癖がいつのまにか身についたんだと思います。

ありがたいのは、私には評価が返ってくるということ。いいお芝居をして、見てくださる方の心に響けば、お褒めの言葉をいただける。でも、組織の一員として働いていたら、なかなかそうはいかないんでしょうね」

土屋さんの受け答えがあまりにしっかりしているので、今度は「評価によって傷ついたり、落ち込んだりしたら、どうやって立ち直るのか」と訊ねてみた。

すると、彼女はからからと笑い、「プラスに変えないとやっていられません。巻き込まれてたまるか！という気持ちでいつもいます」と潔く答えるのだった。

それにしても、2018年は女優・土屋太鳳にとって多忙な一年だっただろう。数多くのCM、そしてドラマや映画に出演し、彼女の姿を見ない日はないというほどの活躍ぶりだった。年始には初舞台も経験した。

その中で最も印象的だったのは、素晴らしい仲間にめぐり会えたことだという。特に主演ドラマ『チア☆ダン』は同世代の役者と交流する貴重な機会となったようだ。

「撮影が終わった後も共演者とは仲良くしていて、実は昨日も石井杏奈ちゃんと焼肉を食べに行きました。そしたらお店の方が裏メニューを出してくださって。それを箸でつつきながら『表だけじゃなく、裏も素敵な人でありたいね』と二人で盛り上がったんです。

実は母にもよく言われています。人に見られている、いないに関わらず、日頃から綺麗に行動しなさい。そうしていれば、どんなときも無理しないで楽しめるから、って。私、けして器用じゃないから、その言葉はいつも意識しています」

そして、照れたように笑った。

不安だから何度も何度も稽古する。仕事で負ったトラウマはなんとか仕事で克服しようと躍起になる。

「足掻いているんです」

インタビューの最後に土屋さんが残したその一言は、嘘偽りのない、彼女の本音のように感じられた。

ふとあちらに目をやると、『恵比寿ガーデンプレイス』の広場で、たくさんの人が思い思いにクリスマス気分を楽しんでいるのが窺えた。その自然体で楽しく過ごせる街の空気が、彼女に本音を語らせたのかもしれない。そんな気が、したのだった。

■プロフィール
土屋太鳳　1995年生まれ。東京都出身。2015年、NHK連続テレビ小説『まれ』でヒロインを務めた。現在、テレビドラマ『下町ロケット』に出演中。最新作に映画『春待つ僕ら』『七つの会議』がある。

■衣装
【土屋さん】コート￥55,000〈シュープリーム ララ 表参道D-Square店 TEL：03-6851-4367〉、ワンピース￥36,000〈DIAGRAM／アイランド ショールーム TEL：03-5728-3633〉、その他スタイリスト私物
【男性】コート￥180,000〈エリコ フォルミコラ〉、ジャケット￥45,000、ニット￥16,000〈ともにユナイテッドアローズ〉、バッグ￥40,000〈ミスモ／すべてユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL：03-5772-5501〉、パンツ￥46,000〈ロータ／エストネーション TEL：0120-503-971〉

■クレジット
Photos / Akira Maeda@MAETTICO, Styling / Kuniko Torii, Yuki Matsuda(man), Hair-Make-up / Yuki Kato , Kanae Ito(man), Text / Mio Amari

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