2018.10.27
オトナの恋愛論Special Vol.1Q2:最初は全く相手にされていなかったのに、どうして手を繋いできた?
デートのお店は、以前取材で行ったことのある福島にある『うらきん~福島金魚はなれ~』にした。
ここは路地裏にある隠れ家風のお店で、雰囲気が抜群に良い。今年できたばかりの新店なので、トレンドに敏感な美香も気に入ってくれそうだと思ったのだ。
「ごめん!待ったよね?」
「いや、全然」
店に5分遅れで登場してきた美香に、僕は笑顔で答える。基本的に僕は10分前行動だが、女性は5分くらい遅れるのが世の常だろう。
すると美香におしぼりを持ってきてくれた店長から、声をかけられた。
「この前取材してくれた原田さんじゃない!?ありがとう、あれからお客さん増えたよ~」
向こうも僕のことを覚えてくれていたようで、突然の褒め言葉が少し恥ずかしかった。その喜びがばれないよう、美香に聞く。
「美香、飲み物どうする?」
「ノブは?」
「そうだなぁ。あ、『ジムビームハイボール』にしようかな」
「この店にもあるんだね。じゃあ私もそれにしよう」
美香はどうやら、この間「ジムビームハイボール」を飲んで気に入ったようだ。そしてそのまま店長にドリンクを頼み、食事のメニューをもらった。
「そうだ。美香、トマト嫌いだよね?トマトは、無しだな」
「よく覚えてたね!ノブが嫌いな食べ物は・・納豆だっけ?」
「そうそう。でも今のは絶対あてずっぽうだよね?(笑)」
「バレた?ごめん、よく覚えてなくて」
—覚えて、いない...(イコール、興味がない...)
美香の厳しい一言に落ち込みながらも、僕は笑顔を保つ。
とにかく、今日は美香が楽しんでくれればいいだろう。これでダメなら、仕方ない。
2人で乾杯したあと、同窓会で聞いた噂話や、僕の担当する番組の裏情報など、楽しく会話は進んでいった。するとふと、美香が少し真面目な感じで聞いてきた。
「ノブは仕事どうなの?テレビ局、楽しい?」
「うん、忙しいけど楽しいよ。自分が作った番組で誰かの心を動かせたらいいな、と思って仕事してる。」
「へぇ。あの、ばりばり理系だったノブが意外だね・・」
美香が茶化すように言ってきたので、恥ずかしくなって質問し返す。
「美香はどうなの?」
「美容部員の仕事も楽しいんだけど、なんかちょっと将来に迷っているかも」
「そうなの?なんで?」
そこから僕は美香の仕事の愚痴を、ただひたすら聞いた。
―こういうとき、亮太とか、モテるやつはどうするんだろうな・・・。
気の利いたことは言えず、またまた“いい人”の典型的な行動を取ってしまったと思いながら、デートは終わりに近づいてきた。
「ノブって学生時代から変わらず、ほんとにいい人だね!」
会計時にとびきりの笑顔で美香は言う。それに対して僕はクレジットカードを差し出しながら、曖昧な笑顔で頷いた。
―結局、いい人止まりかぁ。
美香とのせっかくのデート。しかしこの後、予想外の出来事が起きた。
「今日は楽しかったな〜」
店を出ると、街はもうすっかり冬支度を始めていた。冷たい風が吹く中、美香の方を振り返ろうとした、その瞬間だった。
「そうだね」
そう言って美香は僕の手をぎゅっと握ってきたのだ。
―・・・・あれ?どうして?
突然のことで動揺しつつも、飛び上がるほどに嬉しい。
しかしどうして美香が急に好意的になったのか、全く見当がつかずにいる。
▶NEXT: 10月28日 日曜更新予定
まさかのそんな所が良かったの!?美香が信太に惹かれた瞬間とは
▶信彦が美香に勧めた「ジムビームハイボール」はこちらから
<オトナの恋愛論 Special特別クイズ>
マジメ男・信彦とチャラ男・拓人。正反対なタイプな2人の男の、ある共通の魅力とは?
ヒント:カタカナ4文字。女性は、男の「○○○○」に弱い!正解は、明日公開の解説編で分かる!
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