私たちはこれまで散々、LINEやデートのHow toを学んできた。
しかしいくらHow toを学んだところで、うまくいくとは限らない。その人のキャラクターによって、成功するための戦術は大きく異なるからだ。
大阪に本社を構えるテレビ局に、ある異なるタイプの2人の男性がいた。
女性慣れしている“チャラ男”と、恋愛に奥手な“THE・マジメ男”。
原田信彦(27)は理系大学院出身、根っからの理系で且つ仕事は忙しく、社会人デビューし損ねてしまったマジメ男。
そんな中、信彦は大学時代の友人・花田美香と再会する。マジメ男の意外な女性攻略法とは・・・?
※今週の「オトナの恋愛論」は東京カレンダー×読売テレビの特別コラボ企画!チャラ男とマジメ男、あなたはどちらのタイプ?
美香と再会したのは、制作部の先輩・耕司さんに呼ばれた飲み会だった。
「あれ、ノブ?」
「美香・・!」
美香とは、大学時代のサークルが一緒だった。昔から小悪魔っぽい雰囲気が魅力的で、かなりのモテ女。そんな彼女との再会に、一気に胸が高鳴った。
僕の生活サイクルは、かなり特殊だ。大阪城の近くに本社を構えるテレビ局に就職し、朝の情報番組を担当しているが、毎日深夜1時に出社し昼12時に帰宅する生活を送っている。
世間のアフターファイブが貴重な睡眠時間となるため、こうした飲み会に参加する機会なんてほとんどない。
よって週末が控える金曜日は、唯一飲み会が組める“決戦の日”。憧れの彼女と再会できたのは、もしかしたら運命かもしれない。
そう思った僕は、食事会中、通常の倍のテンションで頑張った。
しかし、飲み会が終盤にさしかかった頃、美香の友人が化粧室の前でしていたある会話を、うっかり聞いてしまった。
「あの美香の友だちの、のぶひこ・・・だっけ??テレビマンなのにパッと見、地味だし、何かこう、惜しくない?」
美香にいいところを見せたいと思い、一生懸命盛り上げようとしていたが、彼女たちには全く刺さっていなかったようだ。
「ノブは、昔っからあのキャラなの。真面目だよね」
かばってくれているような口調ではあるが、やはり美香も僕なんて眼中になさそうだ。
だがこのあとなぜかモテ女・美香は、僕に興味を示し出すのだ。