
すっぽんのすべてが溶け込んだスープは贅の極み
深い黄金色のスープに浮かぶは、すっぽんのエンペラだけを千切りにし、椎茸や筍、黄ニラと共に炒めたもの。このご覧の一品が『赤坂璃宮』の特製“水魚糸湯麺”。三年ものの天然すっぽんを使ったスペシャル汁そばだ。「えっ!でも、すっぽんはこれだけ!?」と思った貴兄、まずは黙ってひと口、スープを飲んでみるといい。そう、そのスープこそが、まさにすっぽんそのもの。
譚彦彬オーナーシェフ曰く「1㎏級の天然すっぽんを、エンペラを外して丸ごと1匹、少々の紹興酒と生姜1片のみで約2時間じっくり蒸し上げた」そうで、なんとこの1杯にすっぽん約1匹分のエキスが凝縮されているのだ。
香港人がスープに求める最上の色合いである“金々色”に輝く液体は、単に味蕾のみではなく、体全体に染み渡る滋味に満ちている。それでいて、余韻はクリア。雅味溢れる究極のひと皿だ。