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  • 「結婚=人生安泰」を信じた32歳の女を襲う悲劇。真にモテる女が持つ“ある要素”とは

    真にモテる女が持つ“ある要素”とは


    「私の人生、終わったわ...」

    翌日。

    マリは親友の亜希子を表参道の『& ecle』に呼び出し、一連の失恋ストーリーを泣く泣く報告していた。

    「そんな大袈裟な...。マリは可愛いんだから、彼氏くらいいくらでもできるわよ」

    しかし、第二子妊娠中で大きなお腹をした亜希子は、マリの肩を優しく撫でつつも、呆気らかんとそう言い放つ。

    そんな彼女に対し、マリは少々ムキになってしまう。

    「大袈裟じゃないわよ!!だって私、もう32歳よ?さっさと会社を辞めて、優雅な“東京妻ライフ”を送る計画だったのに...」

    「...計画?」

    「そうよ!結婚式はリッツカールトン。新居は白金か麻布エリアの新築マンション。子どもは2人欲しいし、お受験して良い学校に入れなきゃいけないでしょ。

    ゆくゆくは世田谷あたりの一軒家に暮らして、可愛い犬も飼って...。この計画を実現するにはそれなりに時間がかかるし、32歳がギリギリだったの!」

    ヒステリックに目を潤ませるマリを見て、亜希子は冷ややかな目を向ける。

    「何だか私...、誠一さんがマリを振った理由が分かる気がする。それにマリ、今の話は“計画”じゃなくて、“夢”もしくは“幻想”よ」

    「えっ...」

    「だって、そんなにお金がかかりそうな夢を抱いてる女なんて、男からしたら負担でしかないじゃない。その生活に一体どれだけお金がかかるか、少しでも考えたことある?」

    亜希子の指摘に、マリは口を噤んでしまう。

    「自分は会社を辞めて、リッチな“東京妻ライフ”なんて、ハッキリ言って時代錯誤もいいとこだわ。実際、彼に“金銭感覚がおかしい”って言われたんでしょう?」

    てっきり自分の味方だと思っていた親友の発言に、マリはショックを受ける。

    生活のためにお金を稼ぐのは、当然男性の役割だと思っていた。そもそも誠一はかなりの収入があるのだから、マリがお金の心配をする必要はなかったはずだ。

    しかし、よくよく考えれば、亜希子の夫も証券会社勤めのエリートで、しかも彼女は子持ちでさらに妊娠中にも関わらず、今でも金融系のベンチャー企業でバリバリ仕事をしている。

    正直、マリは昔から「専業主婦でも十分くらいなのに、どうして無理に働くんだろう」などと、亜希子の価値観を理解できずにいたのだ。

    「あのね、マリ。私は意地悪言ってるんじゃないのよ。でもこの不安定なご時世、男の経済力に頼るなんて危険だし、女だってきちんとお金の知識を持つべきだわ。

    特に、世間一般的な“イイ男”に選ばれて結婚したいなら、外見や性格の良さはもちろんだけど、マトモな金銭感覚は必須条件よ」

    亜希子は力説を続けるが、やはりマリにはイマイチ納得できない。

    すると亜希子は呆れながらも、「とりあえず、これに参加して少しは勉強して」と、資産形成セミナーについて教えてくれた。


    ―人が普通に生きていくのって、こんなにお金がかかるものなの...!?

    しぶしぶセミナーに参加したマリは、まさに目から鱗が落ちるようで、これまでの価値観がガラリと変わっていた。

    結婚、妊娠、出産、子育て、住宅、そして病気の際や老後の費用...。

    それなりの男性と結婚さえすれば人生安泰と楽天的に考えていたが、人一人が生きていくには思った以上に莫大なお金がかかる。

    そして、これまで理想としていた「優雅な東京妻ライフ」にかかる額を恐る恐る見積もってみると、予想もしていなかった数字に愕然としてしまった。

    ―亜希子の言った通りだわ...。

    マリは、今まで自分がどれほど浅はかな考えを持っていたのかしみじみと痛感する。

    たしかにこれからの時代、たとえ経済力のある男性と結婚したとしても、女性も正しいお金の知識や管理能力を身に付けるのはマストだろう。

    “結婚”自体は諦めるつもりはないし、今後も婚活は続ける予定だ。

    しかしマリは同時に、貯金や投資、資産運用についての知識ももっと深めようと固く決意した。

    そのときちょうど、マリに新しい出会いがあった。

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