2018.10.25
完璧すぎる“彼”の正体
「マリちゃんて...すごく可愛いのに、何だかしっかり者の印象があるなぁ」
たまたま参加した食事会にて、マリは総合商社に勤める亮介からアプローチを受けていた。
「そ、そうですか?」
しかしマリは、ニコニコと爽やかな笑顔で自分を見つめる彼に、些か不信感を抱いてしまう。
亮介は34歳の独身。整った顔立ちに男らしい雰囲気、そして、いかにも仕事がデキそうな立ち振る舞いが印象的だ。
彼は明らかにモテるタイプであるし、会話が進むにつれ、都内一等地出身のお坊っちゃまであることまで判明した。そんな彼がなぜ独身で、かつ恋人もいないのか疑問すぎるのだ。
「ねぇ、週末空いてないかな?良かったら食事に行かない?」
しかし亮介は、そんな風に戸惑うマリをよそに早速食事に誘ってくる。
ひょっとすると、彼は自分を遊び相手候補の一人とでも思っているかも知れない。亮介の人懐っこい笑顔にドキっとしながらも、やはりマリは不安を拭えない。
―さすがに亮介さんと私じゃ、ちょっと釣り合わないわ...。
少し前ならば、素敵な男性の誘いに単純に心踊っていただろう。
しかしセミナーに参加したあと、最近のマリはすっかりお金の勉強に夢中になり、堅実な人生設計を意識し始めたことにより、男性に対しても慎重になっているのだ。
けれど、単なる邪推を理由に彼の誘いを断るのもさすがに勿体ない。
「私で良ければ、ぜひ...」
そうしてマリは、亮介と連絡先を交換し、デートの約束をした。
◆
「素敵なお店を予約してくれて、ありがとうございます...」
北参道の有名フレンチ『sincere』で亮介と待ち合わせたマリは、相変わらず素敵な亮介に心の中ではすっかり恐縮しながらも、久しぶりのデートに胸が高鳴っていた。
「こちらこそ、マリちゃんと会えて嬉しいよ」
一抹の不安は残りつつも、亮介と過ごす時間は楽しかった。
女性のエスコートが上手な彼といると緊張もほぐれ、会話も弾み、好感度はどんどん上がっていく。
「マリちゃんは、休日は何してるの?」
そんな中、亮介の質問にマリがこんな風に答えたのは、自然な流れだった。
「...変な趣味って思われるかも知れないんですけど、最近、お金の勉強にハマってるんです。効率のいい貯金の仕方や、ちょっとした資産運用とか。
昔は浪費家でそんなことまるで考えてなかったんですけど、一度始めたら意外に面白くて、できればファイナンシャルプランナーの資格も取りたいななんて思っていて...」
だが、つい饒舌になってしまったマリを、亮介は驚いたようにポカンと見つめている。
―あれ...やっぱり変だったかな?お料理とかヨガとか、もっと可愛い感じの趣味を適当に言っておけば良かった...!
マリはすぐに後悔したが、しかし、彼は思わぬ反応を見せた。
「やっぱり...。最初に会ったときから、“しっかりした女性だな”ってずっと感じてたんだ。実は俺...」
そして亮介は、近い将来、彼の一家が経営する企業を継ぐ予定であることを語り始めた。
また彼の母親も父親の右腕として経営に携わっているため、外見や性格の良し悪しだけでなく、堅実な金銭感覚を身につけた女性を長年探していたという。
「東京は綺麗で感じの良い子はたくさんいるけど、加えて金銭感覚や芯がしっかりした女性を探すのは難しいから...。その点、マリちゃんは素晴らしいよ。...また、会ってくれるかな?」
そうして亮介の真っ直ぐな瞳に見つめられたとき、マリは今度こそ、素直に新しい恋の予感を感じたのだった。
マリの手帳にある「優雅な東京妻ライフ」とは?
夢のようなデートから帰宅したマリは、「優雅な東京妻ライフ」計画を書いた手帳を改めて眺めてみる。
もしも亮介との恋が発展したら、これが叶うかも知れない。だが万一に備え、これからもお金の管理はきちんとしようと誓う。
そして、先日亜希子の言っていた「お金の知識をきちんと持った女こそが選ばれる」という言葉の意味を、マリはようやく理解できたのだった。
男性が結婚を考えられなくなった理由の第一位は、“金銭感覚の違い”
亜希子が「お金の知識をきちんと持った女こそが選ばれる」と言ったとおり、男性が結婚を考える際に、女性の“金銭感覚”というのは大切な一つの指標になるようだ。
実際、「東カレデート」でアンケートを取ったところ、男性が結婚を考えられなくなった理由の第一位に“金銭感覚のズレ”が挙げられた(左図参照)。
では、結婚を考える女性たちが身につけておくべきお金の知識とは、一体どんなものだろうか?
◆衣装協力 1P目女性/コート\36,000〈ホワイト/ホワイト ザ・スーツカンパニー 新宿店☎03-3354-2258〉ドレス\19,000〈AIMER☎0120-209-520〉ベルト\21,000〈オットダム/オットダム 銀座店☎03-6264-5432〉ネックレス\9,000〈アビステ☎03-3401-7124〉バッグ\13,500〈ダイアナ/ダイアナ 銀座本店☎03-3573-4005〉2P目女性/ジャケット\23,000〈ユニバーサルランゲージ/ユニバーサルランゲージ 渋谷店☎03-3406-1515〉カットソー\858〈ザ・スーツカンパニー/ザ・スーツカンパニー 銀座☎03-3562-7637〉ネックレス\9,723、時計\12,500※WEB限定商品〈ともにアビステ☎03-3401-7124〉3P目女性/コート\45,000〈オットダム/オットダム 銀座店☎03-6264-5432〉ブラウス\13,000、スカート\14,000〈ともにユニバーサルランゲージ/ユニバーサルランゲージ 渋谷店☎03-3406-1515〉ネックレス\27,223〈アビステ☎03-3401-7124〉バッグ\23,000〈ダイアナ/ダイアナ 銀座本店☎03-3573-4005〉
おすすめ記事
2016.05.03
僕のヤバい時計
僕のヤバい時計:馬の靴屋は想定外に儲けている…高級腕時計5本、29歳イケメン御曹司
2016.01.23
崖っぷちアラサー奮闘記 written by 内埜さくら
崖っぷちアラサー奮闘記:“性なる魔の手”は救いの手なのか
2023.05.31
マッチングアプリの答えあわせ【A】~SEASON2~
マッチングアプリの答えあわせ【A】:「うゎ、無理…」初デートで、男が女に幻滅した瞬間とは
2018.05.05
十人十色の麻布十番
十人十色の麻布十番:ドヤ顔で“十番”を語る、イケメン外資マーケター。デートの思わぬ敗因とは?
2020.03.03
女神のオキテ
女神のオキテ:女だらけの世界は、天国か地獄か? 25歳の女が初日に言われた、衝撃の文句
2023.11.07
東京ウェンズデー
アッパー層は、自分だけの”特別なルーティン”を持っている!?明日で最終話!「東京ウェンズデー」全話総集編
2018.06.29
私、愛されてる?
私、愛されてる?:「女は感情的」と一蹴してきたハイスペ夫が、頑固な考えを改めた理由とは
2016.07.18
青山ヒロム
新連載!『青山ヒロム』アンタッチャブルな男たちがやってくる?!
2018.05.23
東大女子図鑑
東大女子図鑑:夫に内緒で別宅を持つバリキャリ妻。ほぼ別居状態でも離婚はしない、シンプルな理由とは
2019.11.13
U-29男女の恋愛事情
「イヴの夜、彼女が突然…」恋愛ベタな29歳公務員男子が受けた災難とは
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
ロングヒット記事
2024.11.18
恋のジレンマ
アプリで出会った女性と初デート。女が困惑した、男が渡した妙なプレゼントとは
2024.11.22
年収4,000万男子の恋愛事情
結婚に焦る31歳女が犯した致命的ミス。せっかくハイスペ彼氏ができたのに…
2024.11.21
かわいく生きられない女たち
毒吐き用のSNSアカウントが、彼の親にバレた!慶應幼稚舎出身、27歳女の裏の顔とは
2024.11.23
男と女の答えあわせ【Q】
「1日2回は多い?」付き合う前のアラサー男女。適度な連絡頻度の正解は?
2024.11.20
東京レストラン・ストーリー
原宿のおしゃれな2LDKで「ルームシェア」する24歳女。でも、現実は一緒に住むのは難しくて…