美しいひと Vol.6

「整形女のクセに」同僚の告げ口で、彼に整形がバレた。金で美を買った女を襲う修羅場

花音の逆襲


「…どういうこと?」

絞り出すように、低い声で呟く花音を、私は振り返ることができなかった。必死で言い訳を考えるも頭がうまく回らない。

そもそも「花音に内緒で会おう」と言い出したのは俊介のはずだ。

私は咄嗟に「違うの、花音」と声に出し、あとは任せたとばかりに俊介に視線を送る。彼だって、花音にバレたくない気持ちは同じはず。なんとかして、この場を収めてもらいたい。

しかしどうやら彼は今夜、やはり普通ではなくなっているらしい。

「何が違うの。俺と麗華は、そういう関係じゃん」

しれっと言い放つと花音に向き直り、「ごめんね、黙ってて」などと詫びている。

−何言ってるの、この人…。

すると、私がもう一度「違う!」と叫ぶのを制するように、花音が突然、呆れたように笑い出したのだ。


「ねぇ俊介くん、騙されてるよ」

可笑しくてたまらない様子でケラケラと声を上げた後、花音はわざとらしく、芝居掛かった声色で俊介に語りかけ、そして次に私を思い切り睨みつけた。

「…整形女のクセに」

蔑むような、哀れむような視線に射抜かれ、私は身も心も凍り付いてしまう。 ......


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