大衆以上、超高級未満の絶品中華 Vol.3

冷やし中華の元祖!あの名店で冷やし中華づくりの極意を聞いてきた!

暑くなると恋しくなるのがあっさりおいしい「冷やし中華」。今や日本中で食べられている冷やし中華の生みの親といわれているのが、神保町の『陽子江菜館』だ。

今回はこの名店のおいしさに迫るとともに、家庭でできる冷やし中華のおいしい作り方も伝授していただいた!

「元祖冷やし中華」(1,510円)

今や日本中で愛される「冷やし中華」誕生秘話

明治39年創業の老舗中華料理店『揚子江菜館』で、冷やし中華が誕生したのは昭和8年こと。二代目オーナーが考案した冷やし中華は、今や日本中で親しまれる味となっている。

「冷やし中華」と聞き、麺の上に山状に盛られた具という絵を思い浮かべる人が多いはずである。その原型を作り出したのが『揚子江菜館』の二代目オーナーなのだ。

オーナーは神保町の店舗から見えた富士山からインスピレーションを受けたという。具が模る山の上にふんわりとのる錦糸卵は、富士山にかかる雲を模している。

辛みを加えたいなら辛子や、ラー油をお好みで入れてみよう

お家でも試したい!「冷やし中華」のおいしい作り方

家で作って食べることも多い「冷やし中華」。そこで四代目・陸さんにおいしい作り方のポイントを伺った。

【麺を茹でたら…】
麺は茹でた後、氷を入れて、よく洗おう。茹であがったあとに出る麺のヌメリが残っていると、食感が悪くなってしまうのだ。
【麺の水切りは…】
よく洗ったあとは、とにかくよく水を切ろう。麺に水気が残っているとタレの味を薄めてしまう。
【具の切り方】
具は、麺の細さに揃えて切ろう。全ての具材が均一の細さになっていることで、全体の味が馴染みやすくなる。

11時30分~15時までのランチタイムならシューマイ付きで1,510円

【錦糸卵を作るなら】
卵を溶いたら、片栗粉を混ぜてみよう。こうすることで、ふんわりとした食感の錦糸卵を作ることができる!
【具材選びのポイント】
好きな具を選んで入れられるのも冷やし中華のいいところ。具材を選ぶ時は、なるべく食感が違う具をちらすのもポイントだ。そうすることで、最後まで飽きることなく味わえる。

『揚子江菜館』の味を忠実に再現することは、難しい。しかし、なるべくおいしい冷やし中華を家で食べたい!というならぜひこの5ポイントを守って作ってみていただきたい。

冷やし中華の前身である「三絲冷麺」(1,290円)も美味

元祖の元祖も味わえる! 中国生まれの冷やし麺も絶品

「元祖冷やし中華」の前身ともいえるのが、黒酢入りのタレでいただく肉味噌がのった「三絲冷麺(さんすひやしそば)」だ。

『揚子江菜館』が神保町へ移転する前の西神田時代から提供されていたメニューで、中国の家庭では、一般的に食べられているという。冷やし中華は、この冷麺を日本人向けにアレンジしたものである。

食べてみると肉味噌のおいしさが際立っているのがわかる。豚肉はバラ肉やモモ肉など独自の調合で合わせ、肉の食感が残るように粗めにみじん切りに。京都産の赤味噌を使用し甜麺醤、XO醤、唐辛子、干しホタテ、干しエビを入れ、油で炒めて仕上げるという肉味噌。そ

の手間暇を感じる完ペキなおいしさがひと口ごとに感じられるだろう。

「麻婆豆腐セット」(820円)

ランチで提供されている「麻婆豆腐セット」にも注目。

こちらの麻婆豆腐は、なんとあさり入り。「10年前までは普通の麻婆豆腐を提供していましたが、あさりを入れたら、もっと旨みが出ておいしいと思い提供を始めました」と陸さん。

あさりから出る濃厚なダシが、麻婆豆腐の味をギュッと引き締め、ご飯の進む極上のおかずへと進化している。

「元祖冷やし中華」は伝統の味を守り抜き、その他のメニューはおいしさを追求し、進化を続ける『揚子江菜館』。夏の風物詩的料理のひとつ「冷やし中華」の歴史と、その味わいを堪能してみてはいかがだろうか?

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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