ー女の市場価値は27歳がピーク、クリスマスケーキの如く30歳以上は需要ゼロ、なんて昭和の話でしょ?ー
20代の女なんてまだまだヒヨッコ。真の“イイ女”も“モテ”も、30代で決まるのだ。
超リア充生活を送る理恵子・35歳は、若いだけの女には絶対に負けないと信じている。
周りを見渡せばハイスペ男ばかり。デート相手は後を絶たず、週10日あっても足りないかも?
だが、仕事もプライベートも絶好調であった彼女の人生が、徐々に狂い始めていく...。
「理恵子ってさ、会うたびに綺麗になるよな。こんな美女と金曜の夜にデートできるなんて、俺ってば幸せな男だなぁ」
敦史の言葉を微笑と共に軽く受け流しながら、理恵子は食前酒のプロセッコのグラスに口をつけた。
白金のプラチナ通りの裏路地にある隠れ家風イタリアン『ロマンティコ』は二人のお気に入りで、頻繁に訪れている。
「やっぱり女性はさ、知性と大人の色気がないとダメなんだよ。会社の若いOLたちなんてさ、お決まりの薄っぺらい“さしすせそ”攻撃で下心が見え見えでさ...」
敦史は会うたびに、こんな風に若い女をコキ下ろしながら理恵子を褒め称えた。
37歳の外資コンサルティングファーム勤務の敦史は、若干こじらせた独身貴族オーラはあるものの、理恵子の一番お気に入りのデート相手だ。
清潔感のある顔立ちも引き締まった身体もなかなかイイ男で、スペックだって悪くない。
「それにさ、この年になると“結婚”を考えずにはいられないだろ。やっぱり理恵子みたいに自立してて、しかも美人のパートナーだったら安心だよな...」
敦史は熱っぽくこちらを見つめると同時に、理恵子自慢の豊満な胸をチラチラと盗み見ている。だが、少々無遠慮なその視線も、今夜は許してやろうと心の中でほくそ笑んだ。
“結婚”という言葉がチラつくたび、理恵子は彼の本気度と自分に対する尊敬を確認できるからだ。
「...ふぅん」
クールに相槌を打ちながらも、上機嫌になった理恵子は、今夜は敦史の部屋に寄ってやってもいいと決めた。
この記事へのコメント
デキさせたこと全然反省してないじゃん。
相手からしたら都合のいい女ですよね!
そりゃいい言葉もかけますよ。
身体の関係まで持って自分はモテるって勘違いしてる女の人いますよね
綺麗なのに勿体ない