隣のスーパーウーマン Vol.4

「女が派閥を作るのは、自分の身を守るため。」醜い争いを一瞬で鎮めた、年齢不詳の美女

問題児ばかりが集う閉塞的なオフィスに、ある日突然見知らぬ美女が現れたー。

女派閥の争いにより壊滅的な状況に直面した部署で、春菜(25)は絶望的な毎日を過ごしていた。

そんな春菜の前に参上した、謎だらけのゴージャスな女・経澤理佐。

理佐は、崩壊寸前の部署の救世主となるのか?


「墓場」と呼ばれる部署に、ミステリアスな女・理佐がやってきた。派手で超美人な彼女はお局女性陣・おつぼねーずから早速目の敵にされウェルカム洗礼を受けながらも、経理部のピンチを鮮やかに解決した。

しかし女たちの醜い争いは、まだまだ終わらない…?!


経理室には、毎日様々な人が訪れる。

春菜がふと目線をあげると、営業部の広岡鈴香の姿があった。彼女は昨年度の新入社員で、こうして経費精算の領収証を持ってたまに経理部にやってくる。

整った鼻筋と小さな顔が印象的な鈴香は、若いのにしっかりしていると評判だ。そんな彼女が、珍しくぼんやりと立っている。

その視線の先には、猛スピードでテンキーを叩き続ける理佐の姿があった。

「お疲れ様です!」

春菜が声をかけると、鈴香はハッと我に返ったようだ。

「あの方が経澤さんですか…。営業部中で、ものすごい美女が経理部に来たとは噂になっていましたが…どんな方なんですか?」

春菜はその質問に答えることができなかった。理佐の謎のベールはまだ健在である。

鈴香が去ると入れ違いに、課長が経理室に入ってきた。

「お、経澤さん、今日も気合入ってるね。経澤さんと西野さんのお陰で決算も順調そうだね。2人に任せて本当に良かった。ありがとう。引き続き、期待しているよ。」

課長が突然思いついたように、軽い口調で理佐を褒める。

課長が理佐を誉めると、またおつぼねーずたちが妬むのではないだろうか。春菜は内心ハラハラしていたが、その心配は見事的中することになる。



春菜が廊下に出ると、おつぼねーずが相沢由美に突っかかっている光景が目に飛び込んできた。

「あんたがミスしたせいで新人に一本取られたじゃない。」
「新人を増やさないという話、忘れたの?」
「今日の話はルーチンやってる私たちへの当てつけよ。」

新人の理佐や若手の春菜が全員の前で褒められること、これをおつぼねーずが黙って見ているはずはないのだ。

褒める文化が育っていない、人を蹴落とすことで自分の地位を保つ経理部。これが墓場の経理部の所以の一つである。

「私のせいだっていうの!?」

由美も反抗するが、明らかに劣勢だ。

そのとき、睨み合う空気を全てかっさらうかのように、さわやかな声が廊下に響いた。

「お取込み中、ごめん下さいね。」

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