隣のスーパーウーマン Vol.3

職場の“新人イビリ”に夢中のベテラン女社員。彼女を1発で黙らせた、華麗な反撃の手段とは?

問題児ばかりが集う閉塞的なオフィスに、ある日突然見知らぬ美女が現れたー。

女派閥の争いにより壊滅的な状況に直面した部署で、春菜(25)は絶望的な毎日を過ごしていた。

そんな春菜の前に参上した、謎だらけのゴージャスな女・経澤理佐。

理佐は、崩壊寸前の部署の救世主となるのか?


「墓場」と呼ばれる部署に、ミステリアスな女・理佐がやってきた。派手で超美人な彼女は、お局女性陣・おつぼねーずから早速目の敵にされるも、入社初日から春菜のピンチを救う。

しかし理佐の謎は深まるばかり。ついには部長の愛人疑惑だけでなく、スパイ容疑までかけられる始末であった。


-経澤さんのこと、信用しない方がいいのかな…。

春菜は、理佐のことを考えて悶々としていた。

せっかく部署に唯一の信頼できる相手を見つけたと思ったのも束の間。理佐は担当業務を命じられた初日から、どこかに行ったまま1日戻ってこなかったのだ。

さすがに「スパイ疑惑」を鵜呑みにしてはいないが、理佐に謎が多すぎるのは事実である。

通勤電車の中でスマホが何度も震える。昨日のお食事会のメンバーが、LINEグループを作って朝から盛り上がっているようだ。

「次はお肉が食べたいな」「『リグニス』なんてどうかな?」「『kintan』もいいよね!」なんてキャッキャした文章が舞っている。

ー食事会もいいけど…今はそんな気分になれないわ。

春菜は簡単にお礼だけ送信すると、バッグにスマホを押し込んだ。



「西野さん、ちょっとよろしいでしょうか。話があります。」

PC画面に向かってため息をついていると、突然名前を呼ばれた。春菜が振り返ると、そこには理佐が無表情で立っている。

ただでさえ背の高い理佐は、椅子に座っている春菜から見上げるとギョッとするほど大きく、迫力がある。

冷ややかな口調にぞくりとしながら、春菜は無言で頷いた。一体何を言われるのだろうか。

「これ、昨日作成したの。」

そう言って理佐が出してきたのは、ToDoリストとカラフルなスケジュール表、そして役割分担表だ。

「昨日資料庫に籠って、昨年度の決算関連資料に全て目を通し作成したの。」

理佐は、この会社には決算のマニュアルや行程表がまともに存在しないことを知り、決算で何をすべきか洗い出してスケジュールと役割分担を組んでいたのだった。

-昨日の長時間の離席はこの為だったのね…。

一瞬でも心の中で彼女を無責任呼ばわりしてしまったことが、恥ずかしくなった。

理佐を見上げると、彼女は今までに見たことのない、自然で柔らかな笑みを浮かべている。

春菜は大きく深呼吸し、理佐に笑顔を返した。

「ありがとうございます…!」

そのとき春菜は、陰から冷たい視線で二人を見つめる人物がいるとは、気付いていなかった。

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