リスクを嫌う男 Vol.11

数々の夫婦を見てきた保険プランナーが語る、成功する男が妻にしている女性の共通点とは?

−保険プランニング−

そのとき、人間の本性が自ずと露わとなる。

三上保(みかみ・たもつ/30歳)は、外資系保険会社の保険プランナー。

垣間見える男女の闇に「結婚は最大のリスクである」と考えを拗らせていく保だが、運命の出会いは突然やってくる。

小悪魔美女・美里に心奪われる保。が、彼女は貯金0円の浪費女だと判明。しかし意外な素顔を知るにつれ内面にも惹かれていく。

契約が成立しもう会うこともないと思いきや、契約後も次々と保に顧客を紹介してくれる美里。

富山にいる彼女の両親にも会いに行くが、なんと保険商談中に熟年離婚の危機が勃発。

動揺する保をよそに、美里は意外にも涼しい顔。

そんな彼女は「男を上げる女」と周囲からも評判らしい。


「どうぞ、お上りになって」

百合の花が香る玄関で、五十嵐夫人が再び保を出迎えた。

今日の夫人は白地に大ぶりのフラワーモチーフが描かれたドレスを身にまとい、それが品の良い顔立ちに華を添えていた。

その腕にはもちろん、美しくトリミングされた白いトイプードル。

行儀良く腕に収まっているその犬(今日はカットワークレースのフリル付、薄い水色のストライプ柄ドレスでおめかししている)はまるでぬいぐるみのように大人しく、微動だにしない。

前回のアポから1週間。

五十嵐夫人の要望を受け、今日はドル建て積立保険の提案をしにやってきた。

松竹梅のプランを用意しているが、保険以外の資産形成も色々しているという話だったから、やはり月額10万が落とし所だろうか。

頭の中でそうシュミレーションをしながら、保は夫人の後に続きリビングへと向かった。

美しい光沢の、大理石の床。まるで宮殿に招かれたとしか思えないデコラティブな猫足家具、ダマスク柄のクッションが置かれた白い革張りのソファ…。

五十嵐夫人と白いトイプードルがその空間に身を置くと、まるで映画のワンシーンのようにしっくりとハマっている。

「こんにちは」

しかしそこに、五十嵐邸にはおよそ似合わぬ声がした。

奥の扉から顔を出した声の主は…テレビで何度か見覚えのある、某関取であった。

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