リスクを嫌う男 Vol.7

「保険プランナーさんとかいいな♡」思わせぶりな小悪魔美女に、リスクを嫌う男が翻弄された夜

「わ!…びっくりした」

慌てて振り返ると、たった今到着したのだろう、原井美里が保の手元を覗き込んでいた。

…見つかってしまったら、もう仕方がない。

「先日まで、出張で石垣に行ってたんです。これ…知り合いが作ってるブレスレットで。良かったらどうぞ、お土産です」

この後、ディナーの約束があるからだろうか。

美里はこれまでとは雰囲気の違う、Vカッティングが綺麗なブラックのワンピースを着ていて、ゆるく巻かれた髪が一層、大人っぽく見えた。

そんな彼女と“大ちゃん”作・白蝶貝のブレスレットは、どうにも不釣り合いだ。

しかし保の不安をよそに、美里はパッと顔を輝かせる。

そしてまるで石原さとみそのものの、キュートで明るい笑顔を見せると、多少オーバーなまでに喜んでくれたのだ。

「え、いいんですか♡私、こういう天然石のアクセサリー好きなんです。嬉しい!」

−なんていい子なんだ…。

保の心が、じわりと温かくなる。

ふと、竹富島で見た、あの素晴らしい星空を思い出す。

−いつか、美里にも見せてあげたいな。

こっそりとそんなことを考えながら、保は提案資料を広げ、彼女に着席を促した。


「…では、こちらに必要事項を記入していただいて、最後に捺印をお願いします」

美里には結局、月額1万円のドル建て積立保険を提案した。

これまで貯金をしたことがないという彼女に、最初から高いハードルを課すのは危険だ。

月額1万円程度では、資産形成と呼べるレベルには正直な......


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