SPECIAL TALK Vol.43

~「引きこもり」からマンハッタンへ。モノの真価を世界に届けたい~

金丸恭文氏 フューチャー株式会社 代表取締役会長兼社長

大阪府生まれ、鹿児島県育ち。神戸大学工学部卒業。1989年起業、代表取締役就任。規制改革推進会議議長代理、未来投資会議構成員、経済同友会副代表幹事、NIRA代表理事を務める。

自分に核となるものがあれば、スタートを切るのに遅すぎることはない

金丸:最後に読者のみなさん、とくに女性に向けてアドバイスをいただけませんか?

鶴本:私が今の仕事を始めたのは30代後半、子どもが大きくなってからです。それでも、スタートは決して遅くはなかったと思っています。むしろそれまでの仕事や社会経験、子育ての経験が役に立っていますね。だから、何かを始めるのに遅すぎることはありません。

金丸:日本では、起業は若い人がするものだというイメージが強いですが、シリコンバレーの起業家の平均年齢は、40歳前後なんですよ。若い起業家も多いけど、シニアも大勢いる。若い人は若いなりのメリットとデメリットがあり、シニアにも同じことが言えるんです。

鶴本:あと大切なのは、自分の個性をどう育むかではないでしょうか。世界を目指すならツールとして英語は必須だけれど、英語はいつでも勉強できますよね。それ以上に大事なのは、その人の核となる個性を持っていること。仕事を人生のミッションとするには、自分独自の濃さを持っているほうがいい。

金丸:やはり子ども時代にアートに没頭したことが、大きかったと?

鶴本:そうですね。ネガティブに思えることでも、自分を信じて、自分の世界を追求することのほうが、人生を豊かにしてくれるんじゃないかと思います。

金丸:人生のミッションを成し遂げるには、リスクをとって挑戦することが不可欠ですが、リスクについてはどうお考えですか?

鶴本:リスクをとりたくないという人は、すごく大勢いますよね。でも失敗したところで最悪どうなるのかを考えてみると、案外「そのぐらいだったらいいか」と思えることが多いのではないでしょうか。

金丸:小さなリスクをとらなければ、より大きなリスクに直面するだけですし、成長する機会を見逃すことになりますからね。

鶴本:たとえば新しい商品を作るとき、どれだけマーケティングに力を入れても絶対にリスクは残ります。ですからある意味、不安とお友達になることが必要ですよね。大事なのは、「今まで大丈夫だったから、次も大丈夫」と自分を奮い立たせて前進すること。未来をつくるための選択のひとつだと思えば、リスクをとることも楽しいですよ。

金丸:リスクを楽しむなんて、鶴本さんらしいです。鶴本さんが日本のものづくりを世界的ブランドに導いてくださるのを、私も楽しみにしています。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。

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