外資系OLサトコ：「仕事がデキる＝イイ女」は自惚れ？キャリア女の敵・小動物系OLに胸がザワつく夜

男が選ぶのは、やはり“ゆるふわOL”...？

「そ、そうだったんだ！彼女と好みが違うなら、プロフィールを分けて作ればいいのに！」

陽介の爆弾発言にショックを受けたものの、聡子はグラスに残ったワインをグィっと飲み干し、なんとか平静を保つ。

そして、Netflixでは1アカウントにつき5名分までのプロフィールが作成できることを教えてあげた。

視聴傾向に合わせて作品がレコメンデーションされるため、複数でアカウントをシェアする場合は、アカウント内に個々のプロフィールを作成して観たほうが良い。

そうすることで、それぞれの視聴傾向や履歴に基づいた、おすすめの作品が見つかりやすくなるのだ。もちろん、プロフィール作成に追加料金はかからない。

その後も4人はドラマの話で大いに盛り上がったが、聡子は表面的に明るく振る舞いながらも、陽介の恋人の存在が気になって仕方がない。

―彼女って、どんな子なんだろう...。

「聡子ちゃん、どうしたの？」

ハッと気づくと、ワタルが聡子の顔をじっと覗き込んでいた。

「ごめん、ワインが回って少しぼんやりしてたみたい。で、陽介の彼女ってどんな人なのっ？」

酔いでテンションが上がったフリをして、聡子はさり気なく陽介に問う。声が少し上擦ってしまったことには、誰も気づいていないようだ。

「...普通の子だよ。総合商社で事務をしていて、年は2つ下かな」

「おいおい、謙遜するなよ。知美ちゃん、めちゃくちゃ可愛いじゃん！まるで小動物だよな。しかも料理上手なんだろ？」

ワタルの冷やかしを制しながらも、陽介はそれを肯定するように顔を真っ赤にした。

「ちなみに...その知美さんとは、結婚とか考えてるんですか？」

聡子の気持ちを代弁するように、志帆がさり気なく聞く。

すると陽介は、今まで見たことがないようなデレデレとした表情で、コクリと小さく頷いた。

心臓が、大きく嫌な音を立てる。自分がうまく笑顔を作れているか自信がない。

この恋はきっと、もう諦めるしかないのだー。

いたたまれずに聡子が陽介から視線を逸らすと、またしてもワタルと目が合ってしまう。

まるで聡子の心を見透かすように、その瞳には、同情の色が滲んで見えたのだった。

◆

翌日、聡子はすっかり失恋気分で出社した。

大好きな仕事にも集中できず、溜息ばかり溢れる。女子力より仕事を優先してきた自分に、自信が失せてしまったのだ。

「聡子さん...陽介さんのこと、まだ諦めちゃダメですよ！」

聡子の様子を見かねた志帆が、エナジードリンク片手にやってきた。

「でも...」

「“いかなる困難も、努力で克服できる”が聡子さんの信念ですよね？そんなに凹むなんて、聡子さんらしくないです！」

「そう...よね」

たしかに、仕事にまでプライベートの影響を及ぼすのは自分らしくない。少なくとも、会社ではいつも通りでいるべきだ。

聡子は志帆がくれたエナジードリンクを一気に飲み干す。

そんなオフィスの片隅では、アシスタントの梨花が、デスクで堂々と爪の手入れをしている。志帆がそれに気が付いて、ため息をついた。

「陽介さんの彼女…小動物系で料理上手の女なんて、きっと梨花みたいな“ゆるふわOL”ですよ！絶対に負けちゃダメですよ」

志帆は、梨花をキッと睨みつけながら、聡子にエールを送った。


▶NEXT：4月19日 木曜更新予定
落ち込む聡子に、意外な男が好意を寄せる...？

■聡子たちがハマっているNetflix作品の予告編はこちら！

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■撮影協力：『AZUR et MASA UEKI』